こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
銀歯は口を開けたときに目立つため、見た目を気にする方も少なくありません。「銀歯を白くしたい」「銀歯をセラミックに変えたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
「銀歯を白い歯にしたい場合の選択肢は?」「銀歯をセラミックに変えるとどんなメリットがあるの?」などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、銀歯を白くしたい場合の選択肢や、銀歯をセラミックにするメリット・デメリット、費用について解説します。銀歯を白くしたい方や、銀歯をセラミックに変えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
銀歯とは?
銀歯とは、金属で作られた詰め物や被せ物のことです。虫歯治療で削った箇所を、銀歯を用いて補います。保険が適用されるため、日本の虫歯治療では一般的に銀歯を使用するケースが多いです。銀歯は強度があり費用も安いですが、良い面ばかりではありません。
銀歯のメリット・デメリットについて知っておきましょう。
銀歯のメリット
銀歯のメリットは、以下の3つです。
- 費用が安い
- 破損の心配がない
- 天然歯を削る量を抑えられる
銀歯の最大のメリットは安く治療を受けられることです。保険が適用されるため、自費診療の治療に比べて費用はリーズナブルです。
また、銀歯は強度に優れた金属を使用しているため非常に丈夫で、割れたり欠けたりする心配がありません。薄くても強度が保てるため、天然歯を削る量を最小限に抑えることができます。
銀歯のデメリット
銀歯にはメリットもありますが、デメリットもあります。
銀歯のデメリットは、以下の5つです。
- 見た目が悪い
- 劣化しやすい
- 虫歯の再発リスクが高い
- 歯茎が変色することがある
- 金属アレルギーのリスクがある
銀歯は口を開けたときに目立ちやすいです。奥歯なので気にしない方もいるかもしれませんが、笑ったときに銀歯の見た目が気になる方もいるでしょう。
また、銀歯は劣化しやすいです。劣化すると銀歯と歯の間に隙間が生じ、汚れが溜まって二次う蝕(虫歯の再発)や歯周病の原因になります。銀歯を被せているため虫歯が再発しても気が付きにくく、重症化することも少なくありません。
さらに、長期間使用すると金属イオンが溶け出して歯茎が黒く変色したり、金属アレルギーを発症したりする可能性があります。
銀歯を白くしたい場合の選択肢
見た目の悪さだけでなく、虫歯の再発や金属アレルギーのリスクなどから「銀歯を白くしたい」と考えている方もいるでしょう。
ここでは、銀歯を白くしたい場合の選択肢について解説します。
レジン
レジンとは、歯科治療に用いられる白いプラスチック素材の詰め物です。虫歯治療で削った箇所に馴染むように、使用する段階ではペースト状になっています。そこに専用の機械で光を照射すると化学反応が起こり硬化します。
レジンは保険が適用されるため、費用を抑えて白い素材を使用した治療が受けられます。
ただし、レジンはプラスチックなので強度が低く、広範囲の虫歯には適応されません。また、2~3年で劣化して再治療が必要になります。
セラミック
銀歯を白くしたい場合、セラミック治療も選択肢の一つです。セラミックは陶器の素材で作られた詰め物・被せ物です。見た目が美しく、天然歯のような自然なツヤや色調を再現できます。
また、劣化しにくいため再治療のリスクが抑えられ、寿命も保険治療の銀歯やレジンと比較すると長いです。保険が適用されないため費用は高額ですが、機能性・審美性の高さから人気のある治療法です。
銀歯をセラミックにするメリット
銀歯をセラミックにすると見た目が美しくなるだけでなく、ほかにも多くのメリットがあります。
銀歯をセラミックにするメリットは、以下の3つです。
自然な仕上がりになる
銀歯をセラミックにすると、自然な色調やツヤ、透明感のある歯を手に入れることができます。銀歯では銀色の詰め物・被せ物が目立ちやすく、レジンでも白くはなりますがセラミックほど自然な仕上がりにはなりません。
セラミックであれば天然歯のような自然な美しい仕上がりになるのです。
二次う蝕や歯周病のリスクが低い
セラミックは表面が滑らかで汚れが付着しにくく、細菌の繁殖を抑えられます。また、セラミックは歯との接着性が優れており、劣化による隙間も生じにくいです。銀歯をセラミックにすれば、二次う蝕や歯周病のリスクを低減できます。
体への悪影響が少ない
金属を使用しないセラミックであれば金属アレルギーの心配がありません。金属が溶け出して歯茎が変色することもなく、安心して治療を受けられます。
銀歯をセラミックにするデメリット
銀歯をセラミックにするデメリットは、以下の3つです。
歯を削る量が多くなる
セラミック治療では歯を削る量が多くなります。セラミックは薄いと割れるため、耐久性を確保するために歯を多く削る必要があるのです。歯を多く削ることで、しみやすくなったり痛みが出たりする可能性があることを理解しておきましょう。
セラミックは割れることがある
銀歯は強度が高く割れる心配はありませんが、セラミックは割れる可能性があります。セラミックは陶器素材でできているため、歯ぎしりや食いしばりなどの強い衝撃が加わると割れることがあるのです。
特に、強い負担がかかる奥歯の治療にはセラミックが適応とならない場合があります。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方がセラミック治療を受ける場合、ナイトガードというマウスピースを使用すると歯の負担を軽減できます。
費用が高額
銀歯は保険が適用されますが、セラミックは自費診療になるため費用は高額です。セラミックは寿命が長いため、長い目で見ると必ずしも高額とは言えませんが、できるだけ費用を抑えて治療を受けたい方にはセラミックは向かないかもしれません。
セラミックの種類と費用
セラミックにはいくつか種類があり費用にも幅があるため、治療内容や部位、予算によって最適なセラミックを選択することが大切です。
セラミックの種類とその特徴、費用の相場は以下の通りです。
<セラミックの種類と費用>
種類 | 素材 | 特徴 | 費用 |
---|---|---|---|
オールセラミック | 100%セラミック | ・天然歯のような自然な色合い ・変色しにくい ・天然歯より硬く、噛み合う歯や周囲の歯を傷めることがある |
10~20万円 |
ハイブリッドセラミック | 内側はメタル(金属) 外側はセラミック |
・色調や透明感はほかのセラミックにやや劣る ・天然歯と同じくらいの硬さで噛み合う歯や周囲の歯を傷めない ・内側が金属なので強度が高い ・噛む力の強い奥歯にも使用可 ・変色しにくい ・金属アレルギーのリスクがある ・歯肉が黒ずむ可能性がある |
8~15万円 |
メタルボンド | 内側はメタル(金属) 外側はセラミック |
・色調や透明感はほかのセラミックにやや劣る ・天然歯と同じくらいの硬さで噛み合う歯や周囲の歯を傷めない ・内側が金属なので強度が高い ・噛む力の強い奥歯にも使用可 ・変色しにくい ・金属アレルギーのリスクがある ・歯肉が黒ずむ可能性がある |
8~15万円 |
オールジルコニア | 100%ジルコニア | ・ダイヤモンドのような高い耐久性 ・天然歯のような自然な色合い ・天然歯より硬く、噛み合う歯や周囲の歯を傷めることがある |
10~15万円 |
セラミック治療は保険が適用されないため費用は高額ですが、天然歯のような自然な美しさが長持ちします。
セラミックの種類や費用は歯科医院によって異なるため、セラミック治療を希望される方はカウンセリングの際に確認しましょう。
セラミックを長持ちさせる方法
セラミックは経年劣化しにくく、寿命は10〜15年程度と長いです。
ただし、毎日のケアやメンテナンスの状態によっては寿命が短くなる可能性があります。
セラミックを長持ちさせる方法は、以下の通りです。
- セルフケアを徹底する
- 歯ぎしり・食いしばり対策を行う
- 歯科医院で定期検診を受ける
それぞれ詳しく解説します。
セルフケアを徹底する
セラミック治療を受けたあとはセルフケアが非常に重要です。セラミックは汚れが付着しにくく虫歯の再発リスクが少ない素材ですが、しっかりと口腔ケアを行わないと虫歯や歯周病になる可能性があります。
毎日のセルフケアを丁寧に行えば、セラミックは長持ちするでしょう。
歯ぎしり・食いしばり対策を行う
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方がセラミック治療を受ける場合は対策が必要です。日中は癖を行わないよう意識すれば改善することもありますが、就寝中の歯ぎしり・食いしばりは意識して改善することはできません。
就寝中の歯ぎしり・食いしばりがある方は、ナイトガードというマウスピースを装着することで歯への負担を軽減できます。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも、対策を行なえばセラミックは長持ちするでしょう。
歯科医院で定期検診を受ける
セラミックを長持ちさせるためには、歯科医院で定期検診を受けることが非常に重要です。定期検診では、セラミックの歯の状態や噛み合わせ、虫歯・歯周病などのトラブルを確認してもらえます。
また、プロによるクリーニングを受けることでセルフケアでは落としきれない歯の汚れも除去できます。定期検診で虫歯や歯周病を予防し、異常が見つかった場合でも早期に対処することでセラミックは長持ちするでしょう。
まとめ
銀歯は丈夫で費用を抑えて治療ができますが、見た目が悪いだけでなく、二次う蝕や歯周病、金属アレルギーのリスクがあります。これらのリスクを避けて治療したい方は、銀歯をセラミックに変えることを検討するとよいでしょう。
銀歯をセラミックに変えると、天然歯のように美しい歯を手に入れることができ、見た目が大きく改善します。また、セラミックは劣化に強く汚れも付着しにくいため、二次う蝕や歯周病のリスクも低減できます。
金属を使用しないセラミックであれば、金属アレルギーが心配な方でも安心して治療を受けられるでしょう。
セラミックは審美性・機能性ともに優れた治療法ですが、費用が高額で歯を削る量が多くなるというデメリットがあるのも事実です。メリット・デメリットの両方を理解したうえでご自身に合った治療法を選択しましょう。
セラミック治療を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司