こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
近年、技術の発展によりさまざまな種類の矯正方法が増えています。
しかし、歯科矯正は自費診療のため、歯科医院によって同じ矯正方法でも費用が異なっていることがほとんどです。歯科矯正の費用相場がわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、歯科矯正の種類と歯科矯正の種類ごとの費用相場について解説します。
歯科矯正のメリット・デメリット
歯科矯正には多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。
以下に、一般的な歯科矯正のメリット・デメリットについてまとめてみました。
メリット
歯科矯正のメリットは、以下の4つです。
虫歯や歯周病の予防になる
歯並びが悪いと歯ブラシの毛先がうまく当たらず、歯磨きをしても汚れを取ることが難しくなります。そのため、歯並びが悪いと虫歯や歯周病になるリスクが増加します。
歯科矯正により歯並びを改善することで、歯磨きが行いやすくなり、虫歯や歯周病を予防することができるでしょう。
噛み合わせが改善する
奥歯の噛み合わせが悪いと食べ物をうまく噛めないことがあります。また、顎の関節に負荷がかかり、顎関節症の原因になることもあります。
歯科矯正により噛み合わせを改善することで、食べ物をしっかりと噛むことができ、顎関節への負荷を軽減することができるでしょう。
滑舌が改善する
前歯の歯と歯にすき間があると、空気が漏れてサ行やタ行の発音が難しくなります。
歯と歯のすき間を矯正することで、滑舌の改善が可能です。
見た目のコンプレックスを改善できる
前歯のすきっ歯や出っ歯などの歯並びは、人前で大きく口を開けることに対して抵抗を感じる人が多いと思います。
歯科矯正を行えば、このような見た目のコンプレックスを改善することができます。
デメリット
歯科矯正のデメリットは、以下の3つです。
虫歯・歯周病のリスクがある
ワイヤー治療では、歯に器具を装着するため汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが増加します。
インビザライン矯正でも毎食後の歯磨きを行わなければ、マウスピース内に汚れが付着し、虫歯や歯周病になることがあります。
違和感や痛みがある
歯科矯正では、お口の中に長期間矯正装置を装着する必要があります。そのため、歯科矯正を開始してしばらくの間は、違和感や痛みがあります。
多くの場合、1週間程度で違和感や痛みは改善するでしょう。
費用が高い
歯科矯正は自費診療のため、費用が高いというデメリットがあります。
歯科矯正の種類
歯科矯正は主に3種類に分けられます。以下では、代表的な歯科矯正についてまとめみました。
表側矯正(ひょうそくきょうせい)
表側矯正は、ワイヤー矯正の一種で、歯の表面にブラケットやワイヤーなどの矯正装置を装着する矯正方法です。歴史がある矯正方法で、矯正できる歯並びの症例が多く、矯正器具は取り外しができないため、自己管理をほとんど必要としないという特徴もあります。
一方で、矯正装置が見えるため、見た目が悪いというデメリットがあります。
舌側矯正(ぜっそくきょうせい)
舌側矯正もワイヤー矯正の一種で、矯正装置を歯の裏側に装着します。表側矯正とは異なり、矯正器具が目立たないというメリットがあります。
しかし、歯の裏面に矯正器具を装着するため、歯磨きが難しくなり、滑舌が悪くなるというデメリットがあります。
インビザライン
インビザラインは、マウスピースを装着することで歯を動かす矯正方法です。透明なマウスピースを使用するため比較的目立ちにくく、取り外しが自由にできるため食事や歯磨きが行いやすいというメリットがあります。
一方で、マウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があるため、自己管理が必要です。
歯科矯正の費用相場と内訳
歯科矯正は自費診療のため、歯科医院ごとに費用が異なります。ここからは、矯正前・矯正中・矯正後に分けて、大まかな費用相場を解説します。
矯正前
矯正治療を始める前に、カウンセリングやレントゲン、歯の型取りなどの精密検査を行います。
カウセリング料金は0〜10,000円、精密検査は10,000~70,000円が相場です。
矯正中
矯正中は、矯正装置の料金が必要です。矯正装置の料金は矯正装置の種類によって異なり、表側矯正は600,000~1,000,000円、裏側矯正は1,000,000〜1,500,000円、マウスピース矯正は300,000~1,000,000円が相場といえるでしょう。
矯正中は、このほかにも調整料が必要です。調整料は、1回の通院で約3,000円〜10,000円で、調整料には矯正器具の調節やお口の中のメンテナンス料が含まれます。
矯正後
矯正終了直後はまだ骨の状態が安定していないため、後戻りが起こるといわれています。矯正直後でなくても、矯正後は歯を動かす前の歯並びに戻ってしまうことがあります。後戻りを防ぐために「保定装置(ほていそうち)」といわれる器具を一定期間装着します。
保定装置の料金は、20,000〜70,000円が相場です。
歯科矯正の保険適用と医療費控除について
歯科矯正は保険適用になる?
見た目の改善などによる歯科矯正は、基本的に保険が適用されません。
国が認めている歯科矯正で保険適用となるのは、以下の3つのケースです。
厚生労働大臣が指定した疾患が原因で起こる咬合異常
生まれつきの疾患が原因で歯並びが悪くなった疾患に対しては、歯科矯正が保険適用になります。歯科矯正の対象となる疾患は59疾患あり、詳しくは以下を確認しましょう。
参考:公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」
顎変形症(がくへんけいしょう)の手術前後の歯科矯正治療
顎変形症とは、顎の骨の過成長もしくは劣成長などの骨格的な問題で、歯並びが悪くなる疾患です。
顎変形症には大きく分けて2つあります。1つ目は、下の顎の骨が上の顎の骨より出ている「下顎前突(かがくぜんとつ)」です。受け口ともいわれます。2つ目は、上の顎の骨が下の顎の骨より過剰に前に出ている「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」です。出っ歯といわれることもあります。これら以外にも、下顎前突と上顎前突が併発している症例などもあります。
前歯の永久歯が3歯以上萌出不全で起きる噛み合わせの異常(埋伏歯開窓術が必要な場合にのみ)
永久歯の萌出不全(ほうしゅつふぜん)とは、大人になっても歯が生えず、歯茎の中に埋まっている状態のことをいいます。埋伏歯開窓術(まいふくかいそうじゅつ)とは、歯茎を切って、歯茎の中に埋まっている歯を生えてくるようにする治療のことをいいます。
前歯の永久歯が3本以上歯茎の中に埋まっていて、埋伏歯開窓術が必要となる場合の矯正費用は保険適用になります。
次に、歯科矯正が医療費控除の対象になるのか解説していきます。
医療費控除とは?
医療費控除とは、1年間に負担する医療費が高額になった場合、所得から一定額を差し引くことで所得税を軽減する制度のことをいいます。
医療費控除が受けられるのは、1年間で支払った医療費が100,000円を超える場合に限られます。
歯科矯正の費用は医療費控除できるのか?
見た目の改善など、審美的な目的で歯科矯正を行なった場合は、医療費控除の対象になりません。
しかし、咀嚼(そしゃく)や噛み合わせの改善のための歯科矯正であれば、医療費控除の対象になります。例えば、歯並びや噛み合わせが悪いことによって食事や滑舌に支障があり、これらを改善するために歯科矯正が必要だと判断される場合は、医療費控除を受けることができます。
まとめ
今回は、歯科矯正の種類と費用について説明しました。
歯科矯正にはさまざまな矯正方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。これらを考慮したうえで矯正方法を選びましょう。また、歯科矯正は自費診療のため費用が高額になってしまいます。
しかし、場合によっては保険の適用や医療費控除を受けられることがあるため、歯科医院に相談してみましょう。
当院では、ワイヤー矯正からマウスピース矯正まで、さまざまな歯科矯正を行なっています。歯科矯正に少しでも興味がありましたら、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にお気軽にご連絡ください。
奥村 亮司