こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
「インビザラインはワイヤー矯正と違って目立たないけど、抜歯は必要?」「インビザラインで抜歯をするメリット・デメリットってなんだろう?」など、インビザライン治療に関する疑問をお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、インビザラインで抜歯を行うケースや不要なケース、抜歯のメリット・デメリット、タイミングなどについて解説します。抜歯する場合の治療期間や費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
インビザラインで抜歯が必要なケース
実際に抜歯をせずに矯正できる方の割合は7割ほどと言われています。3割ほどの方は、どこかの歯を抜いて治療する必要があるのです。
ここでは、抜歯が必要な4つのケースについて一つずつ解説していきます。
歯の位置がズレている
八重歯など、本来の位置からズレて生えた歯があるケースでは、抜歯が必要になることがあります。本来の位置からズレた歯を正しい位置に動かす際は、その歯が収まるスペースを作らないといけません。
周りの歯を動かしてスペースを作る方法もありますが、矯正にかかる工数が増えて難易度が非常に高くなります。抜歯をすれば、効率的にスペースを生み出すことが可能です。
歯の向きがズレている
歯が内側を向いているなど、歯の生える向きがズレているケースでは、抜歯が必要になることがあります。
インビザラインで使用するマウスピースは、歯をきちんと覆うことで十分な矯正力を加えます。歯の向きがズレているとマウスピースでうまく歯を覆えず、矯正が進まない可能性があるのです。
マウスピースで覆えない歯を取り除くために、抜歯をすることが多いです。
前歯が前方に飛び出ている
前歯が前方に飛び出ている出っ歯を治療する場合は、抜歯が必要になるかもしれません。抜歯しなくても乱れた歯並びを整えることは可能な場合もありますが、前歯を後ろに下げなければ突出感は改善されません。
抜歯をすると前歯を後ろに下げるスペースを作れるので、突出感を改善できるでしょう。
親知らずや虫歯・歯周病がある
親知らずが歯列に影響を与える場合は、抜歯が必要になるでしょう。上下の親知らずがまっすぐ生えており、しっかりと噛み合っている場合は抜かなくてもいいかもしれません。
しかし、親知らずは斜めや横向きに生える方が多く、4本すべて生えない方も珍しくありません。斜めや横向きに生えた場合は歯列を後ろから押すため、歯並びが乱れる原因になります。上下の親知らずが生えなかった場合は、噛み合わせのバランスが崩れます。
そのため、親知らずがある場合は矯正開始前に抜歯するのが一般的です。
また、虫歯や歯周病があるケースも抜歯することがあります。虫歯や歯周病が進行した状態だと、矯正による力に耐えられず歯が抜けるリスクがあるからです。
インビザラインで抜歯が不要なケース
ここでは、抜歯が不要な3つのケースについて、一つずつ解説していきます。
IPRでスペースを確保できる
IPRでスペースを確保できるケースでは、抜歯が不要です。IPRとは、歯の側面を削る処置のことを指します。
削る量は約0.1〜0.25mm程度なので、歯が痛んだりしみたりすることは基本的にはありません。抜歯ほど大きなスペースを作ることはできませんが、IPRで対応可能な場合は抜歯は不要です。
歯列の幅を広げられる
歯列を横に広げることで必要なスペースを確保できる場合も、抜歯は不要です。インビザラインのマウスピースで外側に力をかけて歯が移動すれば、歯列が広がるのでわずかですがスペースが生まれるでしょう。
ただし、大人の場合は十分なスペースを確保できないことが多いです。顎の骨の成長が完了しているので、大きく広げることは困難なためです。そのため、IPRと併用するケースが多いでしょう。
奥歯を後ろに下げられる
奥歯を後ろに下げてスペースを確保できる場合も抜歯をする必要はありません。奥歯を下げられると前側にスペースが生まれるので、抜歯しなくても歯を移動できるようになります。
ただし、親知らずがある場合は親知らずの抜歯が必要になるでしょう。
インビザラインで抜歯を行うメリット
インビザラインで抜歯が必要なケース、不要なケースをご紹介してきました。「私は抜歯が必要かも」と不安に思っている方もいるでしょう。
ここでは、抜歯を行うメリットについて解説します。
大きなスペースを確保できる
インビザライン治療で抜歯を行う大きなメリットの一つは、大きなスペースを確保できることです。叢生など、ガタガタした歯並びの場合、歯を正しい位置に移動させるためのスペースが不足しています。抜歯でスペースを確保できれば、歯が適切な位置に移動しやすくなります。
歯を移動しやすくなるので、理想の歯並びを実現できる可能性も高まるでしょう。
後戻りしにくくなる
抜歯を行うと後戻りしにくくなるというメリットもあります。矯正治療後に歯が元の位置に戻ってしまうことを、後戻りと呼びます。インビザラインに限らず、どのような矯正治療後も後戻りのリスクがあります。
抜歯を行えば歯が正しい位置にしっかりと収まって安定するため、後戻りのリスクが大幅に減少します。歯が無理なく並ぶので、治療後の安定性が高まるのです。
治療期間を短縮できることがある
インビザライン治療で抜歯を行うことにより、治療期間を短縮できる場合があります。歯を正しい位置に移動させるためのスペースが確保されていると、歯の移動がスムーズに進みます。計画通りに治療が進行するため、治療期間の延長を防げるでしょう。
治療期間を短縮できれば、患者さまの負担も減らせます。通院回数が減るため、患者さまの時間的・経済的な負担も軽減できるでしょう。
インビザラインで抜歯を行うデメリット
インビザラインで抜歯を行うデメリットは、以下のとおりです。
健康な歯を失う
インビザラインだけでなく、矯正治療における抜歯では健康な歯を抜くことがあります。重度の虫歯・歯周病で歯を残せない場合は受け入れられる方が多いですが、健康な歯の抜歯には抵抗がある方もいるでしょう。
痛みや腫れがでる可能性がある
抜歯をすると痛みや腫れがでることがあります。口を開くだけでも痛みがでることがあるので、生活に支障をきたすかもしれません。
痛みは抜歯後2〜3日をピークに、1週間ほどで落ち着いてきます。痛みとともに腫れもひいていくので、過度に心配する必要はありません。
抜歯後は痛み止めと抗生物質が処方されるので、指示に従って服用しましょう。
費用がかかる
虫歯や歯周病で抜歯する場合は保険が適用されますが、矯正治療のために健康な歯を抜く場合は保険が適用されません。基本的にインビザラインの費用とは別で抜歯のための処置代がかかるので、費用の負担が増加します。
詳しくは後述しますが、歯科医院によって費用が異なるので事前に確認しておく必要があるでしょう。
隙間が残ることがある
歯のサイズは、7〜8mmほどあります。矯正治療で抜歯する場合、左右の歯を抜くことが多いので、14mmのスペースが生まれます。
生まれた隙間が埋まるように、歯並び・噛み合わせを考慮しながら歯を移動させますが、まれに隙間が残るケースもあります。
インビザラインで抜歯をするタイミング
インビザラインで抜歯をするタイミングは症例によって異なります。親知らずや虫歯・歯周病などで抜歯する場合、基本的に矯正治療を始める前に抜歯します。健康な歯の場合は、矯正を始めて歯が動いてきてから抜歯することもあります。
ただし、矯正治療専門の歯科医院では抜歯に対応していないことがあります。通院予定の歯科医院で抜歯ができるか確認する必要があるでしょう。
また、親知らずの抜歯は大学病院など大きな病院でなければ対応できないことがあります。親知らずを抜く場合は確認しておきましょう。
インビザラインで抜歯をする場合の治療期間
一般的には、インビザラインの治療期間は、部分矯正で1年未満、全体矯正で2年から3年ほどと言われています。抜歯をすることで歯の動きがよくなってスムーズに治療が進み、期間が短くなることもあるでしょう。
インビザラインで抜歯をする場合の費用
インビザラインで抜歯をする場合の費用は、歯科医院によって異なります。相場は、1本あたり5,000円〜1万5,000円程度です。
「虫歯治療の抜歯はここまで高くない」と思った方もいるのではないでしょうか。インビザラインでの抜歯には保険が適用されないので、10割負担の金額となるのです。
歯の状態によっては上2本、下2本の計4本抜く必要があり、その場合抜歯だけで4万円ほどかかるかもしれません。
まとめ
今回は、インビザラインで抜歯が必要・不要なケースや抜歯のメリット・デメリット、タイミング、治療期間、費用などについてご説明しました。インビザラインで抜歯が必要かどうかは、最終的に歯科医院で検査を受けてからの判断します。
インビザライン矯正を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司