こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
「歯周病になると口臭がひどくなるって本当?」「口臭をチェックする方法にはどんなものがあるの?」とお悩みではありませんか。口臭の原因はさまざまですが、むし歯や歯周病といった口腔トラブルも口臭が発生する原因として挙げられます。
特に、歯周病は日本人が歯を失う一番の原因でもある身近な病気です。歯周病が進行すると口の中で細菌が繁殖しやすくなり、口臭が発生するのです。
本記事では、歯周病になると口臭が発生する理由に加え、口臭チェックの方法や口臭を予防する方法についても詳しく解説します。歯周病治療中の方や歯周病による口臭でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
歯周病になると口臭がひどくなる?
歯周病といえば、歯肉が腫れたり出血したりする病気と思う方が多いのではないでしょうか。それだけではなく、実は口臭の原因にもなります。
歯周病菌が食べかすや歯垢を分解する際に、メチルメルカプタンやジメチルサルファイドといったガスを発生させ、腐ったタマネギや生ゴミのような強い悪臭を放つのです。歯周病が進行すると排膿の症状が現れますが、膿と食べかすや汚れなどが混ざるとより不快なにおいを発するでしょう。
歯周病による口臭の特徴とは?
歯周病による口臭にはどのような特徴があるのでしょうか。歯周病の口臭は、以下の3つに分けられます。
- 腐ったタマネギのようなにおい
- 腐った卵のようなにおい
- 生ゴミのようなにおい
順番に解説していきます。
腐ったタマネギのようなにおい
歯周病による口臭で代表的なのは、歯周病菌から発生するメチルメルカプタンというガスが原因のものです。メチルメルカプタンは、タマネギが腐ったような臭いを発するのが特徴です。
歯周病の進行によって深くなった歯周ポケット内で細菌が増殖し、メチルメルカプタンを発生させるため早期の歯周病治療が重要です。適切な口腔ケアを行うことで、歯周病菌によるメチルメルカプタンの生成を抑制し、口臭予防につなげましょう。
腐った卵のようなにおい
腐った卵のようなにおいは、歯垢や舌苔から発生する硫化水素が原因です。舌苔とは、口の中の細菌や食べかすなどが舌に蓄積し固まったものです。歯みがきや舌みがきが不十分な場合、舌に汚れが蓄積して舌苔が増える原因になります。
また、生活習慣の乱れで唾液の分泌量が低下し、口内が乾燥することも舌苔の発生を招く可能性があります。舌苔の発生を抑えるためにも、適切な口腔ケアに加え、生活習慣の改善を心がけることが大切です。
生ゴミのようなにおい
生ゴミのような口臭は、ジメチルサルファイドというガスが原因です。ジメチルサルファイドは、歯周病菌が食べかすや汚れなどを分解する際に生み出します。
ジメチルサルファイドは消化器系の疾患によっても発生するため、歯周病以外の疾患が潜んでいる可能性もあります。そのため、生ゴミのような口臭が気になる場合は、一度医療機関を受診してみましょう。
口臭をチェックする方法
口臭は自分では気づきにくいです。日常生活で他人に不快感を与えないためにも、自分の口臭を確認することは重要でしょう。
以下で、口臭をチェックする方法を紹介します。
コップや袋を使う
口臭を自分で確かめる方法として、コップやビニール袋を使ってにおいを確認する方法があります。
まず、コップやビニール袋に息を吹き込み密閉します。数秒後に中のにおいを嗅いでください。口臭がある場合、密閉した空間の中ににおいが残っているでしょう。
舌の状態を確認する
口臭をチェックする方法の1つとして、舌の状態を目視で調べる方法があります。舌に白い苔状のものが多く付着している場合、口臭がある可能性が高いでしょう。
舌に付着した白い苔状のものは舌苔と呼ばれ、口内の食べカスや粘膜、細菌などで構成されています。歯みがきを怠ったり唾液の分泌が減少したりすると舌苔が形成されやすくなり、口臭や味覚障害の原因になります。
最近では、舌苔ケア専用のブラシも販売されています。口臭予防のためにも定期的に舌を掃除しましょう。
口臭チェッカーで確認する
口臭チェッカーは、口臭レベルを数値で確認できるので分かりやすいでしょう。悪臭のもとになる揮発性硫黄化合物を測定し、臭いの有無を判別する仕組みです。使用するタイミングは、起床時や空腹時がベストとされています。
ただし、歯科医院で使用される専門的な口臭測定器と比較すると、正確さは劣ります。より正確な口臭のレベルや原因を把握したい方は、歯科医院を受診しましょう。
細菌検査をする
細菌検査を受けることでも、口臭レベルをチェックすることが可能です。歯垢や唾液から検出された菌の量が多ければ多いほど、口臭が発生している可能性が高いでしょう。
細菌検査には、顕微鏡を使って繁殖している細菌の種類や活動状態を確認する方法と、PCR検査の2種類があります。PCR検査は検出したい菌の遺伝子を増幅させることで、細菌の種類をより正確に判定することができます。効果的な治療計画を立てるのに役立つでしょう。
歯周病による口臭を防ぐには
歯周病による口臭を改善するためには、日頃からの口腔ケアはもちろん、歯周病治療を受けることも大切です。口臭の改善は、口腔内の健康状態を良好に保つことから始まります。
以下で、歯周病による口臭を防ぐ方法について解説します。
- セルフケアを徹底する
- 歯科医院でクリーニングを受ける
- 唾液の分泌を促す
- 歯周病を治療する
それぞれ解説します。
セルフケアを徹底する
毎日の歯みがきは、歯周病予防の基本です。歯ぐきを優しくマッサージするように、丁寧にしっかりと磨きましょう。
歯周病による口臭を予防するには、歯垢を除去することが大切です。歯垢が蓄積すると細菌が繁殖し、歯周病になります。口臭が悪化する原因になるため、注意が必要です。
歯垢は歯間や古くなった詰め物と歯の境目など、歯ブラシが届きにくいところに溜まりやすいです。日頃から口腔ケアをしっかりと行って、みがき残しを減らしましょう。
歯周病が初期段階のときは、専用の医薬品を使ってケアすることも効果的です。日々の念入りなケアが健康な口腔環境を保ち、口臭の予防につながるでしょう。
歯科医院でクリーニングを受ける
歯周病による口臭の予防には、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることも効果的です。歯科医院で行われるクリーニングは、普段の歯みがきでは除去できない歯垢や歯石を取り除きます。
3か月に1回程度の頻度で定期的にクリーニングを受けることにより、歯周病の進行を防ぎ口臭を改善できるかもしれません。専門的なクリーニングと日常の口腔ケアを組み合わせて、健康な口腔環境を維持しましょう。
唾液の分泌を促す
唾液には、口臭の原因となる細菌の増殖を抑える効果があります。また、口の中を中性に保ち、細菌の活動を抑制する役割もあります。
唾液の分泌を促すためには、食べ物やガムなどをよく噛むことが効果的です。噛むことで唾液の分泌が増えて口腔内の乾燥を防ぎ、歯周病の予防にもつながるでしょう。
歯周病を治療する
歯周病による口臭に悩んでいる場合、原因である歯周病を治療することが最も効果的です。早期に治療を開始することで、歯の健康を守りながら口臭の問題も解消できます。
歯科医院では、歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去するだけでなく、効果的な口腔ケアの指導も受けることができます。専門的なサポートにより、歯周病の治療をスムーズに進められたり、再発を防止できる知識を得られるでしょう。
まとめ
本記事では、歯周病による口臭の特徴や原因に加え、口臭チェックの方法や予防方法についても解説しました。口臭の原因はさまざまですが、中でも歯周病が原因の口臭は本人が気づかないうちに周囲に強烈なにおいを放っている可能性があります。
歯周病による口臭を防ぐためには、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行い、歯周病の予防や治療を進めることが重要です。ご自身の口臭が気になる場合は、歯科医院での診察を受けましょう。歯周病の早期発見と治療により、口臭の改善が期待できます。
歯周病の治療を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司