こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
インプラントは、歯を失った際に選択できる治療の一つです。人工の歯根であるインプラント体を歯がなくなった箇所に埋入して、人工の歯を被せます。
自立しているためほかの歯に負担がかからず、入れ歯やブリッジと比較すると、しっかり噛めるのがメリットです。また、見た目も自分の歯のように見えます。
しかし、インプラントは外科手術が必要であるため、治療期間の長さが気になるところです。
今回は、インプラントの治療期間について解説します。治療期間中の歯がない期間やインプラント治療の流れ、インプラント治療が長くかかるケースについても解説しますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インプラントの治療期間
インプラントの治療期間は、患者さんのお口の中の状態や治療方法などによって異なりますが、3か月〜1年程度が目安です。骨造成の有無によっても治療期間は大きく異なります。骨造成とはインプラント体を埋入する骨に厚みが足りないときに行う治療です。
骨が再生するまで一般的には4~6ヶ月程度、患者さんの状態によっては1年かかる場合もあります。そのため、骨造成を行う場合は、インプラント体を埋入するまでの前段階で数ヶ月かかるわけです。
また、ほかにもインプラント手術が一回法なのか、二回法なのかによっても治療期間は異なります。
インプラントの治療期間は人によって異なるため、カウンセリングの際に担当の歯科医師に確認しておきましょう。
インプラント治療中に歯がない期間はある?
インプラント治療では、人工の歯根であるインプラント体と顎の骨を結合させることによって、自分の歯のように噛めるようになります。
しかし、インプラント体を埋入したからといって、すぐに顎の骨に結合するわけではなく、結合にはある程度の時間が必要です。
二回法では一度歯肉を縫合するので、その間は歯がない状態になります。一回法では、アバットメントを歯肉の外に露出させた状態にしますが、そこですぐに人工の歯を被せることはありません。そのため、いずれの場合も、2ヶ月~6ヶ月程度、歯がない期間をすごすことになります。
しかし、これだけ長い間歯がないと、さまざまな弊害があります。まず歯がないと口を開けたときに目立ってしまうでしょう。また、滑舌が悪くなることもあるので、仕事や学業において支障をきたすケースも考えられます。
1本歯がないことで、ほかの歯に負担がかかったり、歯並びや噛み合わせが崩れたりすることも考えられます。また、歯がない期間に術後の傷口が炎症を起こし、痛みがでることもあるでしょう。
歯がない期間の対処法
インプラント体を埋入した日に仮歯を入れるケースも多いです。プラスチック製の仮歯は、そのあとに入れる人工歯を快適に使うためのテスト期間でもあります。
そのため、実際に仮歯を使ってみて違和感があれば、歯科医師に伝えましょう。仮歯は患者さんの意見に基づいて修正しながら使用します。
しかし、奥歯の場合は、歯の状態によっては仮歯を入れないケースもあります。仮歯を入れたからといって、いつもと同じように何でも遠慮なく噛めるわけではなく、いくつか注意すべき点があることも踏まえておきましょう。
仮歯は強すぎる力が加わると破損する恐れがあります。そのため、仮歯では硬いものを噛まないようにしましょう。特に治療の直後は、スープやお粥など、ほとんど噛む必要のない食事にするとよいでしょう。
また、歯磨きをするときも優しく磨いてください。感染症にならないように、丁寧なブラッシングを心がけましょう。
インプラント治療の流れ
インプラント治療はどのような流れで行われるのでしょうか。ここでは、インプラント治療の一般的な流れをご紹介します。
1.カウンセリング
まずは、歯科医院でカウンセリングを行います。患者さんのご希望や患者さんのお悩みを伺い、お口の中の状態を確認します。また、インプラント治療のメリットやリスク、おおまかな費用などについて説明をします。
2.検査を行う
インプラント手術をする前に検査を行います。インプラント治療ではインプラント体を埋入するために、顎の骨に穴を開けます。そのため、顎の骨の厚さや神経の位置、血管の位置などを歯科用CTを使用して事前に確認することが重要なのです。
3.治療計画の立案・ご説明
検査で得られた患者さんのデータから、患者さんに合った治療計画を立てます。治療内容や治療期間、通院回数、費用などをご説明します。患者さんの同意が得られたら、治療を行います。
4.インプラント体を埋入する(一次手術)
歯茎を切開して顎の骨に穴をあけてインプラント体を埋入します。一回法の場合は、インプラント体を埋め込み、その上にアバットメントを取り付けます。二回法の場合は、インプラント体を埋め込み、一旦歯肉を被せて縫合します。
5.待機期間
インプラント体と顎の骨が結合するのを待ちます。個人差がありますが、2ヶ月~6ヶ月かかる場合が多いでしょう。
6.アバットメントを取り付ける(二次手術)
インプラント体と顎の骨が結合したのを確認できたら、二次手術を行います。二回法の場合は、歯茎を切開して、インプラント体を露出させてアバットメントを取り付けます。
7.人工の歯を作製して装着する
型取りを行い、仮歯によって得られたデータを基に人工の歯を作製します。人工歯にはセラミックやジルコニアなどの審美性が高い素材が選ばれることが多いです。
8.メンテナンス
インプラントを長期間快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラント治療後のメンテナンスでは、インプラントに不具合がないか、噛み合わせに問題がないか、インプラント周囲炎になっていないかを確認します。
メンテナンスを受けることがインプラントの保証を受けるための条件となっている場合もあります。インプラントを長持ちさせることはもちろん、万が一のときに保証を受けるためにもメンテナンスは必ず受けてください。
インプラント治療が長くなるケース
インプラント治療はほかの治療と比較すると、全体的に治療期間は長いといえます。ここでは、インプラント治療が長くなるケースについて解説します。
骨造成を行った
インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を埋入するため、十分な骨の厚みが必要です。顎の骨に十分な厚みがないと、インプラント体を埋入しても、すぐに抜け落ちる可能性があります。
顎の骨が少ない場合は、骨造成を行って補います。骨造成には数ヶ月かかるので、その分、治療期間が長くなるでしょう。
顎の骨とインプラント体の結合に時間がかかった
インプラント治療では、顎の骨とインプラント体を結合させますが、患者さんの状態によって結合に時間がかかるケースがあります。
例えば、糖尿病などの全身疾患を患っている方は骨密度が低い傾向があるため、結合に通常よりも時間がかかることが多いです。そのほかに、高齢の方や喫煙者の方などは結合に時間がかかる可能性があります。
二回法を選択した
二回法では、手術を二回行うことになるので、一回法よりも治療期間は長くなります。
しかし、患者さんの状態によっては二回法を選択せざるを得ないこともあります。一回法を選択するのか、二回法を選択するのかはカウンセリングの段階で歯科医師に確認しましょう。
インプラントの治療期間は、個人差が大きいです。自分の場合はどうなのか、確認しておくことが大切といえます。
まとめ
今回は、インプラントの治療期間について詳しく解説しました。
インプラントの治療期間は3か月〜1年程度が目安です。骨を増やす治療を行う場合には、さらに期間が長くなる可能性もあります。一回法か二回法かでも治療期間は異なるでしょう。
歯科医院の方針や治療を行う歯科医師の経験によっても内容が変わってくるので、いくつかの歯科医院でカウンセリングを受けたうえで慎重に検討してください。
インプラント治療を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司