こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
「インプラント治療を考えているけど自分は受けられるのかな?」「インプラント治療が受けられない場合はどうしたらいいの?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。
インプラントは歯の機能を回復させる優れた治療法ですが、すべての人が適応となるわけではありません。特定の健康状態やライフスタイルによっては、インプラント治療が難しい場合もあるのです。
そこで本記事では、インプラント治療ができないケースや対処法などについて詳しく解説します。この記事を読むことで、ご自身がインプラント治療の適応となるかどうかが判断できるようになり、適切な治療法を選ぶ手助けになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
Contents
インプラントとは?
インプラント治療とは、失った歯の代わりに人工の歯根を埋め込むことで、自然な見た目と機能を回復させる方法です。インプラントは、チタン製のスクリューを顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯(クラウン)を取り付けます。
インプラントは、見た目が自然で、噛む力や発音機能も回復できるため、非常に人気の高い治療法です。
しかし、インプラント治療には適応条件があり、すべての人が受けられるわけではありません。次の項目では、インプラント治療ができないケースについて詳しく見ていきましょう。
インプラント治療ができないケースとは?
インプラント治療を受けるためにはいくつかの適応条件があり、場合によっては治療が難しいケースがあります。インプラント治療ができないケースは、以下の9つです。
- 骨粗鬆症によって骨密度が低下している
- 未成年(18歳未満)である
- 歯周病や虫歯によって口腔環境が悪い
- 糖尿病や高血圧などの慢性疾患を有す
- 妊娠中である
- 腎疾患で血液透析を受けている
- 喫煙習慣がある
- 定期的なメンテナンスに通うことが難しい
- 麻酔をしたくない
それぞれ詳しく解説します。
骨粗鬆症によって骨密度が低下している
骨粗鬆症とは、骨の密度が低下し、骨がもろくなっていく病気です。そのため、骨粗鬆症の患者さまは、インプラントを顎の骨に固定するのが難しく、うまくいかない可能性が高くなります。
インプラント治療では、人工の歯根であるインプラント体を直接顎の骨に埋め込み、その上に被せ物を取り付けます。骨の密度や質が十分でないと、インプラントがしっかりと固定されないため、安定性に影響を与える場合があるのです。
未成年(18歳未満)である
インプラント治療は、基本的に骨の成長が完了した大人を対象としています。成長期にある未成年の場合、顎の骨がまだ発育途中であるため、インプラントが安定しない可能性が高いです。
また、成長途中の顎の骨にインプラントを埋め込むと顎の成長に影響を与える恐れもあるため、18歳未満の方にインプラント治療は推奨されていません。
歯周病や虫歯によって口腔環境が悪い
歯周病や虫歯に罹患していると、インプラント治療の成功率が下がる可能性があります。これらの病気に冒されていると、インプラントを支える顎の骨や周囲の歯肉などの組織が健康な状態ではないため、インプラントが安定せず、長持ちしない可能性があるのです。
歯周病や虫歯がある場合は、その治療を優先的に行う必要があります。
糖尿病や高血圧などの慢性疾患を有す
糖尿病や高血圧などの全身的な病気を抱えている方は、インプラント治療を受けられない場合があります。糖尿病は身体の治癒力を低下させ、口腔内の感染リスクを高めます。また、高血圧は手術中や術後の出血量を増やすリスクがあるため、インプラント治療が安全に行えないことがあるのです。
そのため、糖尿病や高血圧などの全身疾患がある場合は、歯科医師と相談して慎重に判断することが重要です。
妊娠中である
妊娠中の女性は、インプラント手術を避けることが望ましいです。手術や事前検査でかかるさまざまなストレスが、妊娠中には負担となる可能性があります。そのため、妊娠中のインプラント治療は推奨されていません。
妊娠中は体の変化や胎児への影響を考慮する必要があるため、インプラント治療は出産後、体調が整ってから受けたほうがよいでしょう。
腎疾患で血液透析を受けている
腎臓の病気で血液透析を必要としている方は、免疫力が低下しているため、基本的にインプラント治療は推奨されません。特に重度の腎疾患で人工透析を受けている場合、手術によって細菌が体内の臓器に回る危険性があります。
また、透析患者は骨がもろくなっていることが多く、インプラントが安定しにくいのです。そのため、血液透析を受けている方は、ブリッジや入れ歯など、ほかの治療法を選択したほうがよいかもしれません。
喫煙習慣がある
タバコを吸っている方は、インプラント手術後にインプラント周囲炎を発症するリスクが高まるため、インプラント治療は推奨されていません。インプラント周囲炎が進行すると、インプラント周辺の顎の骨が溶け、最終的にはインプラントが脱落する可能性があります。
タバコをやめることで、インプラント周囲炎のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
定期的なメンテナンスに通うことが難しい
インプラント治療を検討する際は、手術後の定期的なメンテナンスが非常に重要だと理解しておく必要があります。インプラントは、一生涯にわたってケアが必要な治療法です。手術が終わったあとも、定期的な検診と専門的なクリーニングを受けなければなりません。
これらのメンテナンスが適切に行われないと、インプラント周囲炎や顎の骨の吸収などの問題が起こり、インプラントの寿命が短くなる可能性が高いです。
麻酔をしたくない
インプラント治療は外科的な手術を伴うため、麻酔が必須です。そのため、麻酔を受けたくない方には、インプラント治療は難しいかもしれません。
ただし、麻酔にはさまざまな種類があり、できるだけ痛みを抑える方法も存在します。インプラント治療を検討する際は、カウンセリング時に歯科医師に麻酔方法について相談してみましょう。ご自身に合った麻酔方法が見つかる場合もあります。
インプラント治療ができない場合の対処法
インプラントを長持ちさせるためには、十分な骨の厚さや高さが必要です。そのため、顎の骨が不足している場合には、顎の骨を増やしてからインプラントを埋入する必要があります。骨を増やすための方法には、以下の2つの方法があります。
- サイナスリフト
- ソケットリフト
それぞれ詳しく解説します。
サイナスリフト
上顎の骨が薄い場合、骨量を確保する必要があります。そのために使われる方法のひとつがサイナスリフトです。サイナスリフトとは、上顎洞(サイナス)を持ち上げて骨補充材を充填し、骨を生成する治療法です。
広範囲で骨を増やし、複数本のインプラントを埋入できますが、骨が十分に生成されるまでには6か月ほどかかります。
ソケットリフト
顎の骨にある程度の厚みがある場合は、ソケットリフトという方法で骨を増やすことができます。この方法は、歯が抜けたあとの穴(ソケット)に移植用の骨を注入し、徐々に骨の厚さを増やしていく治療法です。
サイナスリフトと異なり、必要な部分だけ骨を増やすのが特徴であり、骨を増やしながらインプラントを埋め込んでいくことが可能です。治療期間は3〜4か月程度と短く、手術の範囲も狭いため、患者さまの負担も少なくて済みます。
まとめ
本記事では、インプラント治療ができないケースや対処法について解説しました。
インプラント治療は歯の機能を回復させる優れた方法ですが、健康状態や生活習慣によっては治療が難しい場合があります。
しかし、適切な対処法を選ぶことで、治療が可能になるケースも少なくありません。インプラント治療を成功させるために、歯科医師と相談しながら、ご自身の状況に合った最適な治療法を見つけましょう。
インプラント治療を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、一人ひとりのライフステージに沿った歯科医療を提供できるよう努めています。小児・成人矯正や予防歯科、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな診療に力を入れています。
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奥村 亮司