こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
歯科医院は虫歯ができたら行くところ、痛みが出たら診てもらうところ、といった印象をおもちのは多いでしょう。歯科医院は、治療によって虫歯や痛みを取り除けますが、あらかじめ防げるに越したことはなく、それを叶えられるのが予防歯科です。
そこで今回は、予防歯科のメリットや治療内容を解説します。
Contents
予防歯科とは
予防歯科では、虫歯や歯周病といったお口の疾患を事前に検査し、必要に応じた処置を施します。また、日頃から患者さんがご自身の口の中に関心をもち、セルフケアができるよう意識を高めることも予防歯科の役割です。
予防歯科では、以下のような治療の流れで、健康な口内の状態を長期的に維持することを目指します。
- カウンセリング
- 治療内容や治療計画の説明
- 検査
- 予防処置
- 再評価
- 定期検診
カウンセリングで把握した生活習慣や口腔内清掃状態などをもとに、治療計画を立案します。
検査の結果に応じて予防処置を行ったあとは、口内の状態が改善したのか・さらなる処置が必要かを再評価し、問題がなければ定期検診に移行します。改善が見られなければ、検査・予防処置・再評価を繰り返し、定期健診までセルフケアのみで良好な状態を維持できるようサポートします。
予防歯科の重要性
近年では、予防歯科を掲げる歯科医院が増え、需要の多さや注目の高さが表れています。
予防歯科の目標としてよく推進されるのが「8020運動」です。8020運動は、80歳になっても自分の歯を20本以上残すことを目的としています。歯を失うと、食事がしにくくなり栄養摂取量が減る原因になります。さらには、食べることへの楽しみが軽減するなど、生活の質であるQOLの低下につながるのです。自分の歯で楽しく食事し、心身ともに健康な生活を送るためにも、予防を徹底し「8020」を達成させましょう。
また、アメリカやヨーロッパといった欧米では、日本と比較して以前から予防歯科への意識が高く、知識も豊富です。特にスウェーデンは、国を挙げて予防活動に取り組んだ結果、歯を失う人を大幅に減らすなど予防歯科の重要性を示しています。
予防歯科の5つのメリット
予防歯科は、自覚症状がなくても通院しなければいけない・定期的な通院が必要ということから、多少面倒に感じる点もあります。
しかし、健康面・金銭面などさまざまな視点から長期的に見ると、以下のようにメリットが多いことがわかります。
- お口の疾患を未然に防止できる
- 健康な歯を長く残せる
- 清潔できれいな状態を維持できる
- 全身疾患の予防ができる
- 治療費の軽減や治療期間の短縮ができる
それぞれを解説していきます。
お口の疾患を未然に防止できる
定期的に虫歯や歯周病に罹患していないかを確認するため、疾患が発症する前に予防できるのは大きなメリットです。万が一、疾患が発症していても、早期に発見でき、重症化を防ぐことができます。
健康な歯を長く残せる
歯を失う原因である虫歯や歯周病を予防することで、健康な歯を長く残せます。
入れ歯や補綴物ではない健康な自分の歯は、よく噛めて咬合力も強いです。しっかり噛むことは、消化吸収を助け、胃腸の負担を減らします。また、唾液の分泌が活発になり、細菌によって溶けた歯を修復します。虫歯の予防ができ、相乗効果が得られるでしょう。
清潔できれいな状態を維持できる
予防処置として、歯石の除去やクリーニングを行います。
歯石やプラークを除去することで、口臭予防にもなり清潔な状態を保てます。クリーニングでは、着色を落とし、歯本来の色を取り戻せることから、審美性が上がり気分も高まるでしょう。
全身疾患の予防ができる
歯周病菌は、歯茎の血管に入り込み、糖尿病の悪化や狭心症・心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。また、虫歯や歯周病でよく噛めない状態が続くと、脳への刺激が減り認知症を発症・悪化させるリスクが高まります。
お口の疾患を予防することは、身体全体の健康維持にもつながります。
治療費の軽減や治療期間の短縮ができる
虫歯や歯周病が悪化すると治療期間が長くなり、それに伴い治療費もかさみます。予防歯科も定期的に通院し処置をするため、費用はかかりますが、長期的に見ると全身疾患の予防になることから費用の負担は軽くなるといえるでしょう。
予防歯科では何をする?
虫歯や歯周病で歯を失いたくない・痛い思いをしたくない・歯磨きが苦手といった方には、予防歯科の受診をおすすめします。予防歯科では、歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアでお口の疾患を予防します。
予防歯科で行う内容は以下のとおりです。
- ブラッシング指導
- PMTC
- 歯石除去
- フッ素塗布
- 各種検査
それぞれを解説していきます。
ブラッシング指導
虫歯や歯周病の原因となるのは、プラーク中に生息する細菌です。細菌が増殖しないよう、プラークをしっかり除去するためのブラッシング方法を指導し、一人ひとりに適した磨き方や歯ブラシの選び方を提案します。
歯間ブラシやデンタルフロスといった補助器具の使い方も指導するため、自宅でも予防効果の高い歯磨きができるようになるでしょう。
PMTC
専門的な機械や研磨剤を使ってクリーニングします。ふだんの歯磨きでは落としきれないプラークや汚れを取り除き、コーヒーや喫煙などによる着色を落とします。
さらに、細菌の集合体で歯に膜状に付着するバイオフィルムを落とすことが可能です。粘着質で歯ブラシでは落としにくいバイオフィルムを除去することで、細菌が生息しにくい口内環境に整えることが可能です。
歯石除去
歯磨きが不十分でプラークが付いている状況が長期間続くと、やがて硬くなり歯石になります。歯石が付いていると、細菌が増殖して虫歯や歯周病の原因になるのです。
表面がざらついていることからプラークが付きやすく、さらに衛生状態は悪化します。歯石になってしまうと歯磨きでは除去できません。そこで、歯科医院では、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使って歯石を除去します。
フッ素塗布
フッ素の役割である再石灰化の促進・細菌の抑制・歯質の強化を利用し、虫歯を予防します。
フッ素の成分が細菌によって溶けたエナメル質を修復する再石灰化を促進し、虫歯に強い歯へと強化します。さらに細菌の働きを抑制し、虫歯の予防効果を高めます。
各種検査
口の中の状態や疾病リスクを把握するため、歯周ポケット検査・レントゲン検査・唾液検査などの状況に応じた検査を行います。
歯周ポケット検査は、歯と歯茎の隙間にある歯周ポケットの深さから歯茎の炎症具合がわかります。唾液検査では、唾液中の細菌数や口の中が虫歯になりやすい環境になったときに中和する力があるかなどを測定します。虫歯・歯周病リスクがわかり、適切な予防処置を行うヒントになります。
自宅でできるセルフケア
歯石除去やPMTCといったプロフェッショナルケアを受けたとしても、日頃の生活における自己管理ができていなければお口の健康は保てません。プロフェッショナルケアと自宅でのセルフケアを組み合わせることで、さらなる予防を目指しましょう。
自宅でできるセルフケアは、以下のとおりです。
- 正しい歯磨きをする
- 正しい生活習慣を心がける
それぞれを解説していきます。
正しい歯磨きをする
正しく歯磨きをして、虫歯や歯周病を予防しましょう。気を付けるべきポイントは、以下のとおりです。
- 毎食後、歯を磨く
- 歯の表面の汚れは、歯ブラシを歯に対して直角に当てて落とす
- 歯周ポケットの汚れは、歯ブラシを歯茎に対して45度の角度に当てて落とす
- 小刻みに動かして磨く
- 力を入れすぎない
- 鉛筆を持つように歯ブラシを持つ
- デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
正しい生活習慣を心がける
口の中の状態は、生活習慣による影響が現れる傾向があります。生活習慣を改善することで口の中の状態は大きく変わるため、以下に注意して正しい生活習慣を心がけましょう。
- 食べたら歯磨きをする
- 就寝前には歯磨きをする
- 間食を減らす
- 甘い食べ物や飲み物の飲食を減らす
- 禁煙する
- 鼻呼吸をする
まとめ
口の健康を守ることは、身体や心の健康にもつながります。予防歯科を活用し、健康で質の高い生活を送りましょう。
予防歯科を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司