こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
小児矯正にはさまざまな種類がありますが、目立たないマウスピースを使用するインビザライン・ファーストは人気を集めています。
しかし、インビザライン・ファーストにはデメリットや適応条件があるため、事前に知っておくとよいでしょう。
この記事では、インビザライン・ファーストのデメリットや対象年齢、治療の流れについて解説します。
目次
インビザライン・ファーストとは
インビザラインにはさまざまな種類があり、子ども向けのマウスピース矯正をインビザライン・ファーストといいます。乳歯から永久歯に生え変わる時期の子どもを対象としており、顎の成長を促すだけでなく、同時に歯並びも整えられるのがメリットです。
歯並びが悪くなる原因の多くは、顎が小さく、歯が並ぶスペースが足りないことです。このような場合、大人の矯正治療では、歯を削ったり抜歯したりしてスペースを作ります。
これにより、歯並び・噛み合わせが改善できるようになるものの、大切な歯を傷つけたり失ったりするのは大きなデメリットといえます。
一方、インビザライン・ファーストでは、歯が並ぶスペースを確保しながら歯並びを整えることが可能です。そのため、治療のストレスも少ないといえます。
また、適切な時期にインビザライン・ファーストで治療を始めることで、大人になってから矯正治療を始めるよりも短期間で治療を終えられるでしょう。
インビザライン・ファーストのデメリット
インビザライン・ファーストには、以下のようなデメリットがあります。
適応条件がある
インビザライン・ファーストには適応条件があります。そのため、条件に当てはまらなければ治療できない可能性があるのです。
お子様によって身長が伸びる時期が異なるように、歯の生え変わりの時期にも個人差があります。そのため、治療を始めようと思ったタイミングが遅いと、治療を受けられないことがあるので注意が必要です。
重度の不正咬合は治療できない
適応条件に当てはまった場合でも、重度の不正咬合は適応になりません。例えば、骨格的に問題があるケースや重度の叢生・受け口・出っ歯などです。インビザライン・ファーストで治療できない場合には、別の治療法を検討する必要があります。
装着時間が長い
インビザライン・ファーストでは、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。装着時間を守らないと、計画どおりに治療がすすまず、治療期間が延びることがあります。
自己管理が必要
インビザライン・ファーストではマウスピースの装着時間を管理する必要があります。上述のとおり、マウスピースの装着時間を守らないと計画どおりに治療が進まなくなる可能性があります。そのため、保護者の方のサポートが必要なのです。
また、給食を食べる際にはマウスピースを外し、食後は歯磨きをしてから再度装着する必要があります。口内やマウスピースのお手入れが不足していると、虫歯などのトラブルに発展する可能性があるため、注意しなければなりません。
インビザライン・ファーストのメリット
インビザライン・ファーストにはデメリットだけではありません。もちろん多くのメリットがあります。ここでは、インビザライン・ファーストのメリットについて解説します。
装置が目立ちにくい
インビザライン・ファーストで使用するマウスピースは、薄くて透明な素材でできています。そのため、マウスピースを装着していると他人に気付かれることは少ないです。矯正治療中の見た目への影響が少ないため、モチベーションを維持して治療を続けられるでしょう。
痛みが少ない
インビザライン・ファーストではマウスピースを装着・交換しながら徐々に歯を動かすため、強い痛みが出ることが少ないです。痛みに弱いお子様でも、安心して治療が受けられるでしょう。
装置の取り外しができる
マウスピースはお子様でも簡単に取り外しできるため、食事や歯磨きも普段通りに行えます。お口の中がすみずみまで清掃できるため、虫歯になりにくいのがメリットです。
治療期間を短縮できる場合がある
通常、小児矯正では顎の拡大と歯列矯正は別の装置を使用して行います。
しかし、インビザライン・ファーストでは歯を並べるスペースを確保することと歯を動かすことを同時にできるため、治療期間を短縮できる場合があります。また、子どものうちに永久歯が並ぶスペースを確保できれば、二期治療が必要になっても治療期間が短く済む場合があります。
将来的に抜歯を回避できる場合がある
インビザライン・ファーストで永久歯を並べるスペースを確保できれば、将来的に抜歯をしなくても歯並びを整えられる可能性があります。健康な歯を抜くことに抵抗がある方にとっては大きなメリットといえるでしょう。
通院頻度が少ない
インビザライン・ファーストでは、マウスピースを装着・交換することで治療をすすめます。1〜2ヵ月に1回程度の頻度で通院すればよいため、保護者の方の負担も少ないでしょう。
金属アレルギーお子様でも安心
インビザライン・ファーストで使用するマウスピースはプラスチック製です。金属を一切含んでいないため、金属アレルギーのお子様でも安心して治療を受けられます。
インビザライン・ファーストの対象年齢
インビザライン・ファーストの対象年齢は、約6〜10歳のお子様です。
ただし、以下の適応条件があるため、対象年齢でも条件に当てはまらなければ治療を受けられません。
- 第一大臼歯が生えている
- 前歯(乳歯もしくは永久歯)のうち、2本が2/3以上萌出している
- 3/4顎に乳歯(C、D、E)もしくは未萌出の永久歯(3、4、5)が2本以上ある
身体年齢で判断するのではなく、あくまでも口内環境によって対象か否かを判断します。そのため、10歳以上であっても治療できる場合もあるでしょう。お口の状態によって、適切な治療開始時期は異なるため、歯並びが気になった時点で、早めに歯科医師に相談してください。
インビザライン・ファーストでの治療の流れ
インビザライン・ファーストでの一般的な治療の流れは、以下の通りです。
カウンセリング
お子様の歯並びが気になったら、まずは歯科医院でカウンセリングを受けましょう。お口の状態を診察し、インビザライン・ファーストを含めた治療法をご提案します。治療について不安な点があれば、カウンセリングの際に確認してください。
精密検査
精密検査を行い、お口の状態を把握します。精密検査では、口腔内の診察、レントゲン・CT撮影、お顔や口腔内写真の撮影、歯型の採取などを行うのが一般的です。
治療計画の説明・型取り
インビザライン・ファーストでは、専用のシミュレーションソフトを使用してどのように歯が動くのか確認できます。また、治療にかかる期間・費用も把握できるため、安心して治療を受けられます。治療内容に納得できれば、マウスピースを作成する工程に進みます。
マウスピースのお渡し
マウスピースが完成したら治療を開始します。マウスピースをお渡しする際に管理方法や注意点についても説明があります。
マウスピースを受け取ったら1日20〜22時間装着し、一定期間ごとに交換して治療を進めます。はじめのうちはマウスピースの着脱を難しく感じるかもしれませんが、手順を習得すればすぐに慣れますのでご安心ください。
定期的な診察
1〜2ヵ月に1回ほどの頻度で歯科医院を受診して、口腔内の状態を確認します。計画どおりに治療を進めるためには、歯科医師の診察を受けることが必要不可欠です。歯科医師に指示された頻度で通院しましょう。
保定
歯並びが整ったら保定期間に入ります。保定期間とは、保定装置を使用して歯並びを安定させるための期間です。保定装置の装着が不十分であれば、後戻りを起こし、治療が失敗するかもしれません。
また、保定期間中も定期的に歯科医院を受診して歯並びの状態を確認してもらう必要があります。
まとめ
インビザライン・ファーストには、装置の装着時間が長く、自己管理を徹底しなければならないなどといったデメリットがあります。また、適応条件があるため、お口の状態によっては治療ができないことがあります。
ただし、適切な時期に治療を開始すれば、歯を並べるスペースを確保しながら同時に歯列矯正も行えます。また、装置が目立ちにくく、取り外しができるなどといったメリットもあります。
インビザライン・ファーストにはメリットだけではなくデメリットもあるため、よく理解したうえで検討しましょう。
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奥村 亮司