こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
歯のクリーニングの値段は、保険適用なら約3,000円、自費診療なら約5,000〜20,000円です。歯のクリーニングにはPMTCや歯石取りが含まれ、それぞれ目的や処置内容が異なります。
今回は、歯のクリーニングの流れやメリット、値段について詳しく解説します。
Contents
歯科医院での歯のクリーニングでは何をする?
歯のクリーニングは、歯科衛生士や医師が行う「歯と歯茎の健康を維持するための治療」です。クリーニングは、以下の手順で実施されます。
口腔内の検査
まずは、口腔内の状態を観察します。
ぐらぐらしている歯がないか、歯茎の柔らかさは適切かどうかなど、歯や歯茎の状態を評価します。また、歯周ポケットの深さを測り、必要に応じてレントゲン検査を行うこともあるでしょう。
プラークや歯石の除去
スケーラーを用いて、歯の表面に付着したプラーク(細菌の膜)や歯石(固まったプラーク)を除去します。
こびりついたプラークや歯石を取り除く「ハンドスケーラー」と、ハンドスケーラーでは除去できない頑固な汚れを落とす「超音波スケーラー」の2つを使用します。「エアフロー」とよばれる、歯の表面に粒子を吹きかけてプラークや歯石を除去する機械も使用します。
歯の研磨
プラークや歯石の除去が終わったら、歯の研磨に移ります。
歯の表面に研磨剤を塗布し、回転ブラシやラバーを使って、プラークや着色汚れを落としていきます。歯の表面を滑らかにすることで、汚れの付着を防止できるでしょう。
歯間や歯周ポケットの清掃
歯間ブラシやフロスを使って、歯と歯のすき間に詰まった食べかすやプラークを取り除きます。
歯茎と歯の間にある歯周ポケットに溜まった細菌や歯石を除去し、歯周病を予防します。
フッ素塗布
歯の表面にフッ素を塗布し、歯を強化して虫歯を予防します。フッ素は虫歯に効果的な成分であり、歯を強くし、汚れが付着しにくくなる効果があります。
歯のクリーニングとPMTCの違い
歯のクリーニングの方法のひとつが、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)です。
歯のクリーニングは、PMTCと歯石取りに分けられます。PMTCは虫歯予防に、歯石取りは歯周病予防に効果的です。それぞれ単独で行うこともあれば、両方同時に行うこともあります。
以下、それぞれの特徴を解説します。
PMTC
PMTCは、医師や歯科衛生士が回転ブラシやラバーカップ、ラバーチップを使ってバイオフィルムを除去し、歯の表面を磨いて滑らかにする方法です。
ふだんの歯磨きでは汚れを除去することが難しい部分の清掃も行うため、虫歯のリスクを低減することができます。虫歯予防のため、自費診療になる場合がほとんどです。
歯石取り
歯石取りでは、プラークが石のように固まってできた歯石を、スケーラーを用いて除去します。
歯石は歯周病の原因となる物質です。歯石は歯磨きでは除去できないため、歯科医院での歯石取りが必要です。歯石取りは歯周病治療として行われることが多く、保険が適用されます。
PMTCも歯石取りも、定期的に実施することで口腔内の衛生状態を維持し、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。患者さま一人ひとりの口腔内の状態やニーズに応じて、適切なケアや頻度を選択することが重要です。
歯のクリーニングとホワイトニングの違い
歯のクリーニングとホワイトニングの主な違いは、歯のクリーニングは歯の健康全般に焦点を当てているのに対し、ホワイトニングは歯の色の改善に重点を置いていることです。
以下、それぞれの目的や特徴をご説明します。
クリーニング
歯のクリーニングは、口腔内の衛生状態を維持することで、歯周病や虫歯のリスクを減らすことが目的です。一方、ホワイトニングは歯の見た目をより魅力的にすることが主な目的です。
歯のクリーニングでは歯の表面についた着色汚れは除去できますが、色素沈着した歯や、もとから黄ばんでいる歯を白くすることはできません。
ホワイトニング
ホワイトニングは、歯の表面の色素沈着や変色を漂白し、歯を白くすることができます。過酸化水素や過酸化尿素などの成分が使用され、歯の表面に付着した色素を分解して歯の色を明るくします。
ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングがあり、両方を組み合わせる方法はデュアルホワイトニングとよばれています。美容目的のため、自費診療の治療法です。
歯科医院で歯のクリーニングを受けるメリット
歯科医院で歯のクリーニングを受けると、以下のメリットがあります。
歯周病予防
歯のクリーニングにより、歯茎に付着した細菌や歯石が除去されるため、歯周病のリスクが低減されます。
歯周病の原因である歯石はプラークが固まったものであり、通常の歯磨きではなかなか落とせません。クリーニングでは効果的に除去してくれるため、歯周病を防ぐことができます。
虫歯予防
歯のクリーニングは、歯周病とともに虫歯予防にも効果があります。
虫歯はプラークの蓄積によって引き起こされます。毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しが発生することもあるでしょう。定期的に歯のクリーニングを行うことで、プラークを徹底的に除去し、虫歯のリスクを減らすことができます。
口臭予防
プラークや歯石は口臭のもとでもあります。
口臭の原因のひとつは細菌の繁殖です。汚れが溜まり、口腔内に細菌が増えることで日常的に口臭が発生する場合があります。歯のクリーニングで口腔内を清潔に保ち、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑制することができます。
早期発見・早期治療
定期的に歯のクリーニングを受けることで、虫歯や歯周病などの早期発見にもつながります。
歯の寿命をのばすためには、早期発見・早期治療が重要です。定期的にクリーニングに通うことで、問題があった場合に迅速に対処することができます。歯科衛生士や医師が歯や歯茎の状態をチェックしてくれるので、噛み合わせの異常や、詰め物・被せ物などに異常があった場合も、早期に治療を行えるでしょう。
見た目がよくなる
汚れが蓄積すると、歯が黄ばんで見えることがあります。
歯のクリーニングで表面の汚れを取り除くことで、クリーニング前より歯が白く見える場合があります。
全身の健康維持
口腔内の炎症や感染は、心臓病や糖尿病などの全身の健康にも影響を与えることがあります。
歯のクリーニングで口腔内の健康を維持することは、全身の健康を維持することにもつながります。
歯のクリーニングの値段はどれくらい?
歯のクリーニングは保険適用と自費診療に分けられます。以下に歯のクリーニングの値段をまとめてみました。
<種類別 歯のクリーニングの値段>
種類 | 費用 |
---|---|
保険適用での歯のクリーニング | 約3,000円 |
自費診療での歯のクリーニング | 約5,000~20,000円 |
保険が適用される歯のクリーニングは、病気の治療を目的とした場合のみで、歯周病治療を目的とした歯石取りが該当します。
一方、自費診療になるのは、主に美容目的や予防目的の場合です。病気の治療を目的としない審美歯科や予防歯科は、基本的に自費治療です。PMTCにかかる費用などが該当します。
どれくらいの頻度で歯のクリーニングに通うべき?
歯のクリーニングは、定期的に受けることで歯と歯茎の健康を維持し、歯周病や虫歯などのリスクを減らすことができます。一般的には、3〜6か月ごとにクリーニングを受けることが推奨されています。
ただし、口腔内の状態によっては、より頻繁に歯のクリーニングを受ける必要がある場合もあります。特に、以下の状態に当てはまる方は、通常よりも短い間隔でクリーニングを受ける必要があるでしょう。
- すでに歯周病がある
- 歯並びが悪い
- 喫煙している
- 糖尿病を患っている
- 免疫が低下している
- 口腔内でプラークや歯石がはやく形成される傾向がある
歯科医師と相談しながら受診頻度を決め、指定された期間内に歯のクリーニングを受けましょう。
まとめ
歯のクリーニングは、目的や処置内容によって値段が変わります。歯石取りは歯周病治療のため保険適用ですが、PMTCは予防治療なので自費診療の場合が多いです。
歯のクリーニングは虫歯や歯周病予防に十分な効果があるため、3〜6か月を目安に定期的に受けましょう。