こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
歯石の概要や歯石取りの流れをご存じでしょうか。歯石とは、歯垢と唾液に含まれるカルシウムやリン酸が結合して石灰化したものです。
今回は、歯科医院での歯石取りの流れをご紹介します。歯石が与える悪影響や歯石の予防法もあわせて解説します。ぜひ本記事を参考に、歯石についての理解を深めてください。歯石を予防し、健康的な口内を目指しましょう。
Contents
歯石とは
歯石とは、磨き残した歯垢が石灰化して歯の表面に付いたものを指します。唾液に含まれているカルシウムやリン酸と歯垢が組み合わさることで、石灰化が起こります。
歯石になるとブラッシングでは取り除くことができないので、歯科医院で歯石の除去を行わなければなりません。歯石ができると歯の表面がザラザラするため、汚れが付着しやすくなります。歯周病や虫歯の進行を早めるリスクがあるでしょう。
歯石ができる原因
歯石ができる主な原因は、以下の2つです。
- 口腔ケアが不十分である
- 唾液の分泌量が多い
それぞれ解説します。
口腔ケアが不十分である
口腔ケアが不十分だと、歯石ができる原因になります。歯垢が溜まることで歯石が形成されるので、日頃から正しい方法で歯磨きをすることが重要です。
一度歯石が形成されると、歯ブラシによるブラッシングでは落とすことができません。歯科医院で歯石取りの処置を受ける必要があります。
唾液の分泌量が多い
唾液には、歯垢が石灰化する原因となるリン酸カルシウムが含まれています。唾液の分泌量が多いと、歯石が形成されやすいです。歯石ができやすい人とできにくい人がいるのは、歯垢の付着状態と唾液の分泌量に個人差があるためでしょう。
唾液には殺菌作用があるので、虫歯や歯周病などの予防に効果があります。
歯石が与える悪影響
歯石が与える主な悪影響は、以下の3つです。
- 歯周病が進行する
- 口臭が悪化する
- 審美性を損なう
それぞれ解説します。
歯周病が進行する
歯石が付着している状態を放置すると、歯周病を進行させる原因になります。歯石が歯周病を進行させるように働くわけではありませんが、歯石でザラザラした歯には歯垢が付着しやすいです。歯垢が付着すると、歯周病が進行するでしょう。
定期的なクリーニングを行って歯石を予防することで、歯周病の進行を防ぐことにもつながります。
口臭が悪化する
歯石が溜まると口臭の原因になります。歯石には細菌の死骸や浸出液などが含まれているので、独特な悪臭を放つのです。また、歯石が付いている歯には汚れや細菌が付着しやすくなるので、悪臭を発生させるでしょう。
審美性を損なう
歯石があると、見た目に悪影響を与えます。歯周ポケットの近くに歯石ができると、血と混ざって黒っぽい色になるため非常に目立ちます。
歯石によって虫歯や歯周病などが進行すると、歯肉が腫れて張りのない状態になり、不健康な見た目になるでしょう。特に、前歯に歯石があると目立つため、人前で話すことや笑うことを避けるようになる可能性があります。
歯科医院での歯石取りの流れ
歯石取りの流れは、歯科医院によって異なる場合があります。一般的な流れは、以下のとおりです。
- 歯石や歯周病などの検査を行う
- 超音波スケーラーで大きな歯石を除去する
- ハンドスケーラーで細かな歯石を除去する
- フッ素が配合された研磨剤で歯の表面を磨く
- フロスで歯肉や歯間の汚れを除去する
- 歯の表面にフッ素を塗布する
歯石が多く付着している状態だと、外科的な手術が必要な場合があります。治療後は、歯茎が腫れる場合や出血する場合がありますが、数日で落ち着く場合が多いです。
腫れや出血が長引く場合は、歯科医院に連絡してください。
歯石取りの頻度
歯石取りの頻度は一人ひとりの状態によって異なります。3〜6か月に1回のペースが一般的ですが、歯石が早く形成される方は、2か月に1回のペースで歯石取りを行いましょう。
定期検診も一緒に受ければ、虫歯の早期発見や歯周病予防も可能です。定期的に歯石取りやメンテナンスを行うと、歯科治療にかかる費用を抑えることにもつながるでしょう。
歯科医院での歯石取りの費用
歯科医院での歯石取りは基本的に保険が適用されるので、費用は3,000〜4,000円程度です。歯周ポケットなど目に見えない部分に歯石がある場合は、レントゲン撮影などの追加費用が発生するでしょう。
ただし、歯石取りを保険適用で受けるには、虫歯検査と歯周病検査を一緒に受ける必要があります。歯石取りのみ行う場合は自由診療として扱われ、全額自己負担になります。
歯石の予防法
歯石の主な予防法は、以下のとおりです。
- 丁寧にブラッシングを行う
- デンタルフロスを使用する
- 食生活に気をつける
- 定期検診を受ける
それぞれ詳しく解説します。
丁寧にブラッシングを行う
丁寧にブラッシングを行うと、歯石の原因となる歯垢を除去できます。歯石の予防につながるでしょう。
歯垢が石灰化して歯石になるには2週間程度かかるので、毎日丁寧にブラッシングをすれば歯垢の石灰化を防げます。可能であれば毎食後にブラッシングを行いましょう。難しい場合は、最低でも1日1回は丁寧にブラッシングを行ってください。
デンタルフロスを使用する
一般的な歯ブラシでは歯と歯の間の歯垢を完全に取り除くことができません。デンタルフロスを使用すると、効果的にプラークを取り除けます。デンタルフロスを使用すると、歯と歯の間の歯垢除去率が約1.5倍になるといわれています。
口臭の予防や改善にもつながるので、口臭で悩んでいる方はぜひ取り入れてください。
食生活に気をつける
不規則な食生活をしていると、歯石の原因となる歯垢が溜まりやすくなります。ダラダラと食べずに時間を決めて食べることで、歯垢の付着を防ぐことにもつながります。
また、グミやチョコレートなどの粘着性のあるお菓子は歯のすき間に詰まりやすいです。歯石の原因にもなるので、避けるとよいでしょう。
定期検診を受ける
歯科医院での定期検診では、歯のクリーニングが行われます。歯石の予防はもちろん、虫歯や歯周病などの予防にもつながります。セルフケアだけでは、食べ残しや歯垢などを完全に取り除くことは難しいです。
歯科医院でのクリーニングで、セルフケアで除去できない汚れを落としてもらい、口内を清潔に保ちましょう。虫歯や歯周病などの早期発見にもつながるメリットもあります。
歯科医院での定期検診では歯のクリーニングだけではなく、ブラッシング指導も行われます。磨き残しやすい部分や自分に合う歯の磨き方を教えてもらうことで、セルフケアの質が向上するでしょう。セルフケアでの磨き残しを減らすことができれば、歯石ができる可能性を低減できます。
まとめ
今回は、歯石が与える悪影響や歯石の予防法をご紹介しました。
歯科医院での歯石取りは、口内の状態を確認することから始まります。超音波スケーラーで大きな歯石を除去したあと、ハンドスケーラーで細かな歯石を除去します。歯石を除去したあとは研磨剤で歯の表面を磨き、フロスを用いて歯間の汚れも除去してもらえるでしょう。仕上げとして、歯の表面にフッ素を塗布するのが一般的です。
歯石の予防法としては、丁寧にブラッシングを行うことやデンタルフロスを使用すること、定期検診を受けることなどが挙げられます。歯石の原因になるような食べ物を避けることも、歯石予防に効果があるでしょう。
本記事を参考に歯石についての理解を深め、口腔内の健康を保ってください。
歯石取りを検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司