こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
出っ歯を治すために矯正治療を検討する人は少なくありません。出っ歯を治すためにかかる費用や治療期間など、疑問に思うことがあるでしょう。
今回は、出っ歯の原因や出っ歯を放置するリスク、矯正方法などを解説します。出っ歯の矯正方法の種類や費用をプロセスごとにご説明するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
出っ歯とは?
出っ歯(上顎前突)とは、奥歯を噛み合わせたときに上の前歯が前方に出る状態のことです。
正常な噛み合わせでも、奥歯を噛み合わせたときに上の歯が下の歯を覆います。その際に上の歯と下の歯の間に生じるすき間をオーバージェットとよびます。オーバージェットの正常な長さは2〜3mmです。
オーバージェットが大きくなると、前歯が飛び出て見える出っ歯になります。オーバージェットが10mmを超える症例もあるでしょう。
指で押したら出っ歯が治るのではと思うかもしれませんが、指で押しても歯並びは改善されません。歯根膜や歯根など、歯や歯の周辺組織にダメージを与えるリスクが高いので、自力で治そうとせず歯科医師に相談してください。
出っ歯の種類
出っ歯の種類は、以下のとおりです。
- 上の歯が前に出ているケース
- 上顎が前に出ているケース
- 上の歯と上顎の両方が前に出ているケース
- 下顎が後退しているケース
上の歯だけが前に出ているケースでは、矯正で歯並びを整えることで出っ歯を改善できます。上顎が前に出ていることで出っ歯に見えるケースでは、外科手術で顎の骨の位置を調整する必要があるでしょう。下顎が後退している場合、噛み合わせの調整や外科手術によって出っ歯を改善します。
出っ歯の種類によって、矯正治療が異なるのです。
出っ歯になる原因とは?
出っ歯になる原因は、以下のとおりです。
- 癖や生活習慣
- 遺伝
例えば、こどもの頃に指しゃぶりや口呼吸、舌で前歯を押す癖などがあると、出っ歯になるリスクが高くなります。
歯の形状や大きさ、顎の骨格には、遺伝が大きく関係します。両親や親戚が出っ歯の場合、出っ歯になる可能性があるでしょう。
出っ歯を放置するとどのような影響がある?
出っ歯を放置するリスクは、以下のとおりです。
- 奥歯に負担がかかる
- 消化器官に負担がかかる
- 発音に支障をきたす
- コンプレックスになる
出っ歯の場合、前歯がうまく噛み合わないので奥歯に負担がかかりやすいです。十分に咀嚼せずに飲み込む癖がつきやすいので、消化器官にも負担がかかるでしょう。
また、特定の発音が難しいこともあります。舌を前歯につけて発音する、サ行やタ行の発音を難しく感じる人が多いです。
出っ歯は、最も目立つ前歯で起きる不正咬合です。コンプレックスに感じることで「口を開けるのが恥ずかしい」「思いっきり笑えない」など、コミュニケーションに悪影響を与える可能性もあるでしょう。
出っ歯の矯正方法
出っ歯を治すには、矯正する必要があります。矯正治療には、部分矯正と全体矯正があります。
骨格的な問題がない軽度な出っ歯の場合は、部分矯正で治療が可能なケースも少なくありません。重度な出っ歯や、顎や噛み合わせが関係している場合は、全体矯正を行う必要があるでしょう。
出っ歯の矯正方法にはワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。以下、各矯正の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に装着したブラケットにワイヤーを通して歯を動かす矯正です。ワイヤー矯正は、比較的難しい症例にも対応できることがメリットでしょう。特に歯並びの乱れが重度な場合、ワイヤー矯正のほうが適していることが多いです。
ワイヤー矯正で使用する装置は取り外せないため、食事や口腔ケアがしづらいことが欠点です。マウスピース矯正に比べると痛みを感じやすいこともデメリットでしょう。
歯に装置を固定するため、見た目が気になる人も多いです。見た目が気になる人は、裏側矯正や透明のブラケットを使用するなどで対応できるでしょう。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、薄いマウスピースを装着して歯を動かす矯正です。マウスピース矯正のメリットは、目立たないことと、取り外しができることです。
装置が透明なので、注視されない限りは矯正中だと気づかれないでしょう。取り外しができるので、口腔ケアも比較的容易に行えます。ワイヤー矯正に比べると痛みを感じにくいので、痛みに弱い人も挑戦しやすいでしょう。
ワイヤー矯正に比べると適応症例が少ないことがデメリットです。マウスピース矯正では治療できない症例もあるでしょう。矯正治療の効果を得るために、1日20〜22時間以上マウスピースを装着しなければなりません。
出っ歯を矯正するためにかかる費用
出っ歯の矯正は保険適用外になることが多いため、かかる費用は歯科医院によって異なります。出っ歯の症状によっても、治療内容と費用が変わります。治療を開始する前に、治療内容と費用を確認することが大切です。
出っ歯の矯正にかかる費用相場と治療期間は、以下のとおりです。
<各矯正方法の費用・治療期間>
矯正方法 | ワイヤー矯正(表側矯正) | ワイヤー矯正(裏側矯正) | マウスピース矯正 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
治療範囲 | 全体矯正 | 部分矯正 | 全体矯正 | 部分矯正 | 全体矯正 | 部分矯正 |
費用 | 600,000〜1,300,000円 | 300,000〜600,000円 | 1,000,000〜1,700,000円 | 400,000〜700,000円 | 600,000〜1,000,000円 | 100,000〜400,000円 |
治療期間 | 1〜3年 | 3か月〜1年半 | 1〜3年 | 3か月〜1年半 | 2〜2年半 | 2か月〜1年 |
費用や治療期間は症例によって異なるので、あくまでも目安として参考にしてください。ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用する症例もあります。
また、矯正装置の費用だけでなく、検査や保定装置の費用なども必要です。矯正のプロセスごとに必要な費用の相場をご紹介します。検査費用や通院費用をすべて含めたトータルフィー制度を採用している歯科医院もあるので、事前に確認するとよいでしょう。
カウンセリング
カウンセリングは、無料〜10,000円で行う歯科医院が多いです。
矯正を始める前に、歯並びや噛み合わせで気になることを相談します。カウンセリングは、歯科医師やスタッフの雰囲気を確かめるためにも重要です。悩みに寄り添った治療をしてくれそうか、矯正のメリットとデメリットを説明してくれるかなどを確認しましょう。
精密検査・診断
30,000〜50,000円で行われるのが一般的です。精密検査を行い、詳しい歯並びや、歯槽骨などの状態を確認します。
精密検査の内容は、以下のとおりです。
- レントゲン撮影
- 歯型の採取
- 顔写真の撮影
3Dで立体的に口腔内を確認できる装置を使って診断する歯科医院もあるでしょう。精密検査の結果を考慮して、矯正の内容や期間など、詳しい治療計画が決められます。
矯正治療
矯正治療中は、矯正装置の費用に加えて装置の調整料が必要になります。矯正装置の費用は100,000〜1,700,000円、調整料は無料〜10,000円の場合が多いです。
調整料は、通院のたびに支払う場合や、装置を新しくしたときに支払う場合など、歯科医院によって異なります。無料で行う歯科医院も少なくありません。
保定期間
矯正が終了したあとは、後戻りを防ぐためにリテーナーを装着する必要があります。リテーナーは無料〜60,000円、経過を観察する定期検診は無料〜5,000円の費用がかかるのが一般的です。
リテーナーや定期検診に必要な費用も歯科医院によって異なるので、治療を受ける歯科医院で確認してください。
出っ歯矯正は保険が適用される?
出っ歯の矯正は、基本的には保険が適用されません。自由診療のため、全額自己負担する必要があります。
しかし、保険が適用される症例もあります。日本矯正歯科学会によると、以下の症例には保険の適用が可能です。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合以上に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋没歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
引用元:日本矯正歯科学会
例えば、出っ歯の原因が顎変形症であると診断され、噛み合わせや発音に問題が出ている場合は、保険が適用されるでしょう。保険を適用できるどうかは歯科医師が判断します。
まとめ
出っ歯は、前歯が出ている状態のことです。出っ歯になる原因は、癖や日常生活の習慣、遺伝が大きく関係しています。特に、指しゃぶりや、舌で前歯を押す癖がある場合は、できるだけ早く改善しましょう。
出っ歯を治すには、矯正治療を受ける必要があります。症状によって向いている矯正方法が異なるので、歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。
出っ歯を放置すると、奥歯に負担がかかる、発音に支障をきたすなどの問題が起きます。歯科医師に相談し、適した矯正治療を受けて改善してください。
出っ歯の矯正治療を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司