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京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科

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インビザラインで治療ができない8つの症例を解説!

こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。

青い背景の前でインビザラインを持つ手

インビザラインで治療ができない症例は、歯の移動量が多い重度の症例や、骨格に問題がある症例などです。歯周病が進行している場合も、治療が失敗する可能性が高くなるため適応できません。

今回は、インビザラインで治療ができない8つの症例を解説します。

インビザラインで治療ができない症例とは?

バツ印が書かれた札を持つ女性

インビザラインで治療ができない症例は、歯の移動量が大きい症例、骨格に問題がある症例などです。ほかにも、さまざまな原因でインビザラインを適応できないことがあります。

重度の出っ歯

出っ歯(上顎前突)とは、上の歯が下の歯よりも前に出ている状態のことです。

出っ歯の原因として、主に上顎の骨が通常よりも大きく成長することが挙げられます。上下の顎のバランスが悪くなり、上の歯が前に突き出るのです。上顎の骨が正常でも、下顎の骨が十分に成長していない場合、上の歯が相対的に前に出ているように見えることもあります。

骨格に大きな問題がある出っ歯の場合、歯を動かすだけの矯正治療では十分な効果を期待することが難しいです。顎の骨の位置自体を修正するために、外科手術が必要となるでしょう。

重度の受け口

受け口(下顎前突)、または反対咬合とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。

受け口は、上顎と下顎の位置がずれていることで発生します。

歯並びを矯正することは可能ですが、インビザライン治療だけでは顎の骨の位置を変えることはできません。

重度の叢生

叢生(そうせい)とは、ガタガタした歯並びことです。歯が重なっている、または通常の位置から大きくずれて生えている状態を叢生とよびます。

叢生の主な原因としては、顎が小さすぎる、または歯が大きすぎることによる空間の不足が挙げられます。こどもの頃に、顎が十分に成長しなかったことが原因の場合が多いでしょう。

重度の叢生の場合、歯を動かす距離が長くなるため、ゆっくりと動かすインビザラインでの治療は困難です。重度の叢生では、矯正治療のために抜歯をすることも多いです。抜歯すると、歯の移動距離が長くなります。インビザラインは、歯の移動距離が長い症例は向いていません。

過蓋咬合

過蓋咬合(ディープバイト)とは、上の前歯が下の前歯に大きく被っている状態です。具体的には、奥歯を噛み合わせたときに、下の前歯がまったく見えない状態、またはほとんど見えない状態を指します。

過蓋咬合の原因は、上顎の過度な成長や下顎の小ささなど、骨格に起因する問題が多いです。過蓋咬合を放置すると顎関節に大きな負担がかかるため、顎関節症のリスクが高まります。

骨格の問題は、インビザライン治療だけで解決することは難しいです。歯の位置や噛み合わせを調整することは可能ですが、根本的な治療にはなりません。

骨格に問題がある

骨格に問題がある場合も、インビザライン矯正の適応外となることがあります。大きく顎の位置がずれている場合や、特異的な顎骨の形状など、単純な歯の移動だけでは解決できないケースです。

しかし、すべての骨格的な問題がインビザライン矯正の対象外というわけではありません。症状や問題の程度、患者さまの希望など、さまざまな要因によって治療の選択肢や方針が決定されます。

重度の歯周病がある

歯周病とは、歯の周りの組織が炎症を起こす病気です。歯垢に含まれる細菌が原因となって起こります。歯周病が進行すると歯を支える骨が破壊され、最悪の場合、歯が抜け落ちることがあります。

症状には段階があり、歯肉の腫れや出血などの症状しかあらわれていない初期段階であれば、インビザラインでの矯正が可能です。

しかし、病気が進行し歯肉の炎症が強くなると、歯を支える骨が失われるリスクが高まります。骨が不安定な状態で矯正治療を行うと、歯に加わる力によって歯が抜け落ちる可能性があるのです。

重度の歯周病がある場合、インビザライン治療に限らずほかの矯正治療も受けられません。まずは歯周病を治療し、改善することを優先します。

抜歯の本数が多い

歯の間隔が狭い場合や歯が密集している場合、歯を適切な位置に動かすための十分なスペースを確保できない可能性があります。矯正治療を成功させるには適切なスペースを確保する必要があるので、抜歯を行うでしょう。

抜歯する本数が増えると、歯を移動させる距離も増加します。インビザライン治療は、歯を左右や前後に傾ける動きは得意ですが、歯を一直線に大きく移動させる平行移動は得意ではありません。多くの歯を抜歯したあとの大幅な歯の移動は、インビザラインだけでは効率的に行うことが難しい場合があるのです。

インプラントが複数本ある

失った歯を補う方法に、インプラント治療があります。歯が欠損した部分の顎の骨に、チタンやチタン合金で作られた人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を固定する方法です。

歯の矯正治療の際、実際に歯を動かすのは歯根膜という組織です。歯根膜は、歯根と周囲の骨との間に存在する薄い組織で、歯根膜の特性を利用して歯を移動させます。

インプラントを埋め込む治療を受けると、歯根膜は失われます。インプラントは骨に直接固定されるため、力を加えても動きません。

インビザラインでの治療をおすすめできない人とは?

顎に手を当てて考える女性

生活習慣や患者さまの特性によっては、治療をおすすめできないこともあります。インビザラインでの治療をおすすめできない人は、以下のとおりです。

マウスピースを長時間装着できない人

インビザラインの治療効果を最大限に引き出すには、1日20~22時間以上マウスピースを装着しなければなりません。長時間マウスピースを装着することが難しい、あるいは不可能な人は、インビザライン矯正は適していないでしょう。

仕事や生活習慣の関係でマウスピースを長時間外す必要がある人、装着を続けることに自信がない人は、ほかの矯正治療を検討してください。

口腔ケアやマウスピースの管理が難しい人

インビザラインで使用するマウスピースは自分で着脱できます。食事や歯磨きの際は外し、清掃してから装着しなければなりません。口腔ケアやマウスピースの洗浄を怠ると、虫歯や歯周病、口臭の原因となります。

また、治療の進行に合わせてマウスピースを定期的に交換する必要があります。

使用するマウスピースを適切に管理できない人は、インビザラインは向いていません。

定期的に通院できない人

インビザライン治療では、定期的に通院する必要があります。現在の歯の状態や治療が順調に進んでいるかどうか、治療計画に問題がないかを確認するためです。

定期的な通院が難しい場合、治療効果が得られなかったり治療期間が大幅に長引いたりする可能性あるでしょう。

インビザライン以外の治療法はある?

ワイヤー矯正とマウスピースを持つ女性

成人の歯科矯正では、インビザライン以外にワイヤー矯正があります。インビザライン矯正単独では治療できないと判断された場合でも、ワイヤー矯正と併用することで治療可能になることがあります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯科矯正治療のなかで最も一般的で、長い歴史をもつ矯正方法です。装置を歯の表面に取り付ける表側矯正が広く知られています。軽度から重度の不正咬合まで、多くの症例に対応することが可能です。

インビザラインでは治療が困難な、重度の出っ歯や受け口、叢生、多くの抜歯が必要なケースでも、ワイヤー矯正を用いれば治療が可能となることが多いです。

矯正装置が他人から見えることを避けたい人は、歯の裏側に装置を取り付ける裏側矯正を選択するとよいでしょう。裏側矯正は適応症例が限られているため、すべてのケースで選択できるわけではありません。専門的な技術を要求するため、提供している歯科医院が限られていることもデメリットです。また、裏側矯正は一般的な表側矯正よりも高額になることが多いです。

ご自身の症状や希望、予算などをしっかりと考慮し、最適な方法を選びましょう。

ワイヤー矯正との併用

ワイヤー矯正とインビザラインを組み合わせて行う治療法も存在します。初めにワイヤー矯正で歯を大きく動かし、そのあとにインビザラインを使用して微細な調整や位置の最終確定を行う方法が一般的です。

治療の流れは、患者さまの歯の状態や歯科医院の方針によって異なります。治療を検討する際は、事前に歯科医院のカウンセリングを受け、治療の詳細や流れをしっかりと確認しましょう。

まとめ

紫色の背景の前でマウスピースを掲げる手元

今回は、インビザラインで治療ができない症例を8つご紹介しました。

インビザラインは徐々に歯を動かす矯正方法なので、歯の移動量が多い重度の症例には適応できないことが多いです。骨格に問題がある場合は、インビザラインに限らず矯正治療だけでは改善が難しく、外科手術が必要になることもあります。

患者さまの状態によって治療法が異なるため、インビザライン治療が適応できるかどうかはカウンセリングで確認してください。歯科医院によって治療方針が異なるため、いくつかの歯科医院を訪れて相談してもよいでしょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。

奥村 亮司