こんにちは。京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
虫歯や歯周病、怪我などが原因で歯を失ったあと、どのような治療法を選ぶか悩む方は多いです。「入れ歯とインプラントどっちがいい?」「自分にはどの治療法が向いているのだろう」などの疑問を持つ方もいるでしょう。
今回は、歯を失った場合の3つの治療法と、それぞれの特徴について解説します。歯を失ったあとの治療法を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
Contents
歯を失った場合の3つの治療法
歯を失った場合の治療法は、以下のとおりです。
- インプラント
- 入れ歯
- ブリッジ
インプラントは保険適用外ですが、入れ歯とブリッジは保険適用で作れるものもあります。それぞれの治療法にメリット・デメリットがあるので、口腔内の状況や予算を考慮して、ご自身に適した治療法を選びましょう。
インプラントとは?
インプラントとは、インプラント体を歯槽骨に埋め込み、上部構造を装着して歯を補う治療法です。インプラントは歯根から再現するため、治療後一定の期間を過ぎればほとんど違和感がなくなります。
機能性も審美性も高く、天然歯に近い使い心地で会話・食事を楽しむことが可能です。また、インプラントの寿命は10〜15年とされていますが、20年以上問題なく使用できている方も少なくありません。
インプラントのメリット
インプラントのメリットは、以下のとおりです。
- 違和感なく食事できるようになる
- 天然歯と変わらない見た目になる
- 周辺の歯に負担をかけずに治療できる
インプラント治療後は、歯を失う前とほとんど変わらずに食事・会話を楽しめます。天然歯とほとんど見分けがつかないほどの審美性の高さもメリットでしょう。
インプラントは、周囲の歯を削らずに治療ができます。周囲の健康な歯にダメージを加えない治療法なのです。
インプラントのデメリット
インプラントのデメリットは、以下のとおりです。
- 外科治療を必要とする
- 治療期間が長い
- 保険が適用されない
インプラント治療には、インプラント体を歯槽骨に埋め込む外科手術が伴います。麻酔をして手術をするため、健康状態によっては治療が不可能です。糖尿病などの持病を持っている場合や人工透析を受けている場合は、内科の主治医と話し合う必要があるでしょう。
また、インプラント体を埋め込んだあと、定着するのを待つ期間が必要です。そのため、ほかの治療法に比べて治療期間が長くなります。
入れ歯とは?
入れ歯は、床という土台に人工歯が並んだものを装着して歯を補う治療です。入れ歯は、総入れ歯と部分入れ歯にわけられます。
総入れ歯は、ご自身の歯をすべて失った際に使用する入れ歯です。部分入れ歯は、一部の歯を失った際に使用する入れ歯で、クラスプという金属のバネを健康な歯にかけて固定します。
入れ歯のメリット
入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
- 外科的な治療を必要としない
- 保険が適用されるものもある
- 失った歯の本数に関わらず対応できる
入れ歯を作るときに、外科的な治療は行いません。身体の健康状態に左右されないので、受けられる方が多いことがメリットでしょう。また、保険が適用される入れ歯もあるため、インプラントと比較すると大幅に費用の負担を抑えられます。
失った歯の本数に関わらず治療できることも、入れ歯のメリットです。失った歯が1本の場合でも、すべての歯を失った場合でも対応できます。
入れ歯のデメリット
入れ歯のデメリットは、以下のとおりです。
- 審美性に劣る
- 味や温度を感じにくい
- 違和感がある
- 歯茎や骨が衰える
- 硬いものは食べにくい
- クラスプをかける歯に負担がかかる
入れ歯は、ほかの治療法に比べると審美性と機能性が劣ります。保険適用の入れ歯を作った場合は「クラスプが目立つのが気になる」「天然歯と入れ歯の違いがはっきりしていて恥ずかしい」と感じる方も少なくありません。
また、プラスチック製の床があるため、味や温度を感じにくいです。「以前と同じように食事を楽しめない」と感じることもあるでしょう。
入れ歯が動く、食べかすが溜まるなど、違和感を覚えることも多いです。天然歯と比較すると噛む力が大幅に低下するので、硬いものは食べられない場合もあります。
ブリッジとは?
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って支えにして、橋を架けるように人工歯を被せる治療法です。ブリッジは固定式なので、入れ歯と比べると治療後の違和感は少ないでしょう。
入れ歯と同様に、保険が適用されるものもあります。
ブリッジのメリット
ブリッジのメリットは、以下のとおりです。
- 治療後の違和感が少ない
- 治療期間が短い
- 天然歯とほとんど変わらない食事ができる
- 保険が適用される
ブリッジは、入れ歯とは異なり、治療後に違和感なく食事できるようになります。食事を楽しめることは、大きなメリットでしょう。
保険が適用される治療法なので、経済的な理由で断念する必要もありません。
ブリッジのデメリット
ブリッジのデメリットは、以下のとおりです。
- 健康な歯を削る必要がある
- 適応症例が限られている
- 汚れが溜まりやすい
ブリッジは、両隣の歯を削らなければなりません。健康な歯の神経を取って歯を削る場合もあります。結果的に健康な歯の寿命を縮めることになるのは、大きなデメリットといえるでしょう。
また、食べかすやプラークが溜まりやすいため、セルフケアを入念に行う必要があります。定期的に歯科医院でクリーニングを受ける必要もあるでしょう。
入れ歯と比較すると、適応症例が限られていることもデメリットです。歯を失った本数が多い場合、土台となる歯の負担が大きくなるため治療できません。
3つの治療法の違い
3つの治療法の費用、治療期間などの違いを表にまとめました。
<3つの治療法の違い>
治療法 | インプラント | 入れ歯 | ブリッジ |
---|---|---|---|
費用 | 1本あたり300,000〜450,000円 | 保険適用:10,000〜15,000円 保険適用外:15,000〜800,000円 |
保険適用:約20,000円(欠損歯1本あたり) 保険適用外:50,000〜150,000円 |
治療期間 | 2〜6か月 | 2〜3週間 | 1〜3か月 |
保険適用 | されない | されるものもある | されるものもある |
平均寿命 | 10〜15年 | 3〜5年 | 7〜8年 |
保険が適用されない自費診療の場合は、歯科医院によって費用が異なります。自費診療の場合、審美性や機能性が高い高額な素材を使用するので、入れ歯もブリッジも安いとはいえません。
しかし、同じ範囲をインプラントで治療する場合と比較すると、圧倒的に入れ歯やブリッジのほうが安価です。
どの治療法を選択すべき?
インプラント、入れ歯、ブリッジにはそれぞれ異なる特徴があるので、どの方法が向いているか悩む方が多いでしょう。
本項目では、それぞれの治療が適している方の特徴を解説します。
インプラントが適している方の特徴
インプラントが適している方の特徴は、以下のとおりです。
- 審美性や機能性を重要視している
- 周囲の歯に負担をかけたくない
- 外科的手術を受けられる
- 経済的に余裕がある
インプラント治療が完了すると、審美性も機能性も天然歯と変わらないほど自然に仕上がります。そのため、審美性と機能性を重視する方には適した治療でしょう。
また、周囲の健康な歯を削りたくない場合は、インプラントが適しています。
しかし、治療費が高いため、経済的な余裕が必要です。治療期間が長く定期的に通院しなければならないので、スケジュールの余裕も必要でしょう。
入れ歯が適している方の特徴
入れ歯が適している方の特徴は、以下のとおりです。
- 治療費を抑えたい
- 外科治療を受けたくない・受けられない
- 失った歯の本数が多い
失った歯の本数が多い方は、入れ歯が向いているでしょう。外科手術を受けることに抵抗がある方や外科手術を受けられない方、持病がある方も、入れ歯が適しています。
保険が適用される素材もあるため、治療費を抑えたい方にも向いている治療法です。
ブリッジが適している方の特徴
ブリッジが適している方の特徴は、以下のとおりです。
- 適度な寿命・機能性を求めたい
- ある程度の審美性も欲しい
- 治療のために何度も歯科医院を受診できない
- 高額な治療費は用意できない
- 外科手術を受けたくない・受けられない
ブリッジは適度な審美性と機能性があり、寿命も7〜8年です。インプラントほどの審美性・機能性は求めていなくても、ある程度の審美性・機能性・寿命を求めている方に向いています。
特に「インプラントを入れたいけど、予算オーバー」「外科手術を受けるのは嫌だけどある程度きれいな歯を入れたい」という方に適しているでしょう。治療期間が長くないので、できるだけ早く治療を終わらせたい方にも向いています。
まとめ
インプラント、入れ歯、ブリッジには、それぞれメリットとデメリットがあります。どの治療法を選ぶべきか迷う方も少なくありません。
ご自身の歯の状態や重要視することを考慮して、適した方法を決めましょう。ご自身で決められないときは、歯科医師の意見を参考にするとよいでしょう。
入れ歯やブリッジ、インプラントを検討されている方は、京都府京都市左京区にある医療法人社団 京都下鴨ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
奥村 亮司